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オーストラリア移住の幻想が崩壊した日|家賃40万円時代に若者が去る理由

◆世界を考える
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トイレもなく、電気すら通っていない。
雨が降れば雨漏りし、壁にはカビが広がる――そんな築50年のボロボロの木造住宅が、約4億円で落札されました。これは作り話ではありません。オーストラリア・シドニーで、実際に起きた出来事です。

「正気の沙汰じゃない」
多くの人がそう思うでしょう。しかし、これはほんの序章にすぎません。

いまオーストラリアでは、安定した職に就いている会社員が車中泊をし、公園でテント生活を送るという異常な光景が日常になりつつあります。理由は単純です。給料をもらっても、家賃を払えば食費すら残らないからです。

さらに衝撃的なのは、10年近い歳月をかけて永住権を取得した日本人たちが、その権利を自ら手放し、次々と帰国しているという事実です。かつて「人生が変わる国」とまで言われたオーストラリアで、一体何が起きているのでしょうか。

コアラやカンガルーが駆け回り、ワークライフバランスの理想郷として憧れられてきた国。
そのオーストラリアは今、静かに、しかし確実に崩れ始めています。

この記事では、オーストラリアで実際に起きている住宅危機、生活コストの暴走、移民政策の歪み、そして移住者たちが直面している現実を、事実と証言をもとに解き明かしていきます。
もしあなたがオーストラリア移住やワーキングホリデーを少しでも考えているなら――数年前のイメージのまま判断するのは、あまりにも危険です。

トイレも電気もない家が4億円?衝撃のオーストラリア不動産事情

オーストラリアの住宅事情は、もはや「高い」という言葉では説明できない領域に入っています。
日本の感覚で考えれば、到底信じられないような価格が、ごく普通に成立しているのが現実です。

シドニーで実際に起きた「信じられない落札例」

シドニー郊外で、築50年以上の木造住宅が約4億円で落札されました。
その家にはトイレがなく、電気も通っていません。雨が降れば雨漏りし、壁にはカビが広がっている。日本であれば「解体前提」と言われてもおかしくない状態です。

それでも買い手がつき、しかも価格は4億円近くまで跳ね上がりました。
理由は単純で、「住める家」ではなく「土地」に価値があるからです。
シドニーでは、住居としての質よりも立地がすべてになっており、どんなに劣悪な建物でも、土地さえ良ければ高値がつきます。

これは一部の例外ではありません。
同様の物件が連日のようにオークションにかけられ、競り合いが起きています。

普通の家が1億6000万円する異常な市場

現在、シドニーの住宅価格の中央値は日本円で約1億6000万円を超えています。
これは高級タワーマンションの話ではありません。築年数が古く、特別な設備もない「ごく普通の一戸建て」の平均価格です。

仮に年収800万円の会社員が、生活費を一切使わずに貯金したとしても、単純計算で20年以上かかります。
現実には税金や生活費があるため、一般的な会社員が家を買うことはほぼ不可能な水準です。

メルボルンでも状況は似ています。
住宅を購入するには世帯年収1600万円以上が必要とされる一方、平均世帯年収は約900万円程度。
計算が成り立っていません。


車中泊とテント生活をする「会社員」たち

家が買えないなら、借りればいい。
そう思うかもしれませんが、賃貸市場もまた深刻な状況にあります。

給料をもらっても家賃で消える現実

シドニーの平均家賃は月40万円超。
ブリスベンで約32万円、メルボルンでも30万円以上が当たり前になりました。

一人暮らしの平均月収が約55万円だとすると、家賃を払った時点で手元に残るお金はわずかです。
食費、光熱費、交通費を考えれば、貯金どころか予備費すら確保できません。

少しでも収入が途切れれば、即座に住まいを失う。
それが今のオーストラリアです。

働いているのにホームレスになる社会

実際に、フルタイムで働いているにもかかわらず、車中泊やテント生活を余儀なくされる人々が急増しています。
公園や海沿いにはテントが並び、そこに住んでいるのは失業者ではなく、教師、介護士、飲食スタッフなどの現役労働者です。

賃貸物件が出れば、1時間以内に数十人が殺到します。
内見というより「面接」に近く、履歴書、収入証明、推薦状まで求められることも珍しくありません。

家を探すのではなく、家を奪い合う社会になっているのです。


かつてのオーストラリアは本当に楽園だった

しかし、数年前までのオーストラリアは、確かに「夢の国」と呼ばれるだけの理由がありました。

30年続いた奇跡の経済成長「ラッキーカントリー」

オーストラリアは約30年もの間、一度も景気後退を経験しなかった珍しい国です。
世界中が金融危機に揺れる中でも、資源輸出を武器に安定成長を続けました。

鉄鉱石や天然ガスを中国へ輸出することで莫大な富を得て、IMFからも模範的な経済国家として評価されていました。
このことから、オーストラリアは「ラッキーカントリー」と呼ばれるようになります。

時給3500円、月収60万円が当たり前だった時代

当時は、カフェで働くだけで時給3500円以上。
ファームで果物を収穫すれば、月収60万円を超えることも珍しくありませんでした。

週末はサーフィンを楽しみ、夜はバーベキュー。
「働くために生きる」のではなく、「生きるために働く」という理想的な暮らしが、多くの人にとって現実だったのです。

家賃も今ほど高騰しておらず、
「いつかはマイホームを持てる」という希望が、確かに存在していました。

――しかし、その前提は静かに、そして確実に崩れていきます。

なぜここまで物価と家賃は狂ってしまったのか

オーストラリアの住宅危機は、ある日突然起きたわけではありません。
気づかぬうちに、生活を支える土台そのものが少しずつ崩れていきました。

気づかぬうちに進行していたインフレ

最初の変化は、あまりにも小さなものでした。
カフェのコーヒーが少し高くなり、スーパーでの会計金額が以前より重く感じられる。多くの人は「どこの国も同じだろう」と深く考えませんでした。

しかしその後、エネルギー価格、食料品、輸送コストが一斉に上昇し、インフレは加速度的に進行します。
賃金も多少は上がりましたが、物価上昇のスピードにはまったく追いつきませんでした

家賃更新のたびに削られる生活

特に深刻だったのが家賃です。
更新のたびに「少しだけ」と言われていた値上げが、数年後には倍近くになっていました。

住み慣れた家を失いたくない人々は、無理をしてでも契約を更新します。
その結果、生活費の中で家賃が占める割合は異常な水準に達し、暮らしているのに何も残らない生活が常態化していきました。


今のオーストラリアは「家を探す国」ではない

現在のオーストラリアでは、「住まい探し」という言葉自体が現実に合わなくなっています。

家賃40万円時代のシドニー・メルボルン

シドニーの平均家賃は月40万円超。
メルボルンでも30万円を優に超え、地方都市ですら以前の首都圏並みの水準になりました。

これは高級物件の話ではありません。
築年数が古く、設備も最低限の「普通の部屋」の価格です。

物件1つに数十人が殺到する異常事態

賃貸サイトに物件が掲載されると、1時間以内に数十人が応募します。
内見は抽選、もしくは書類選考制。履歴書、収入証明、推薦状の提出が求められることも珍しくありません。

「家を選ぶ」のではなく、「選ばれる立場」に立たされる。
それが今のオーストラリアです。


現地日本人が語る「もう限界」という本音

この状況は、現地で暮らす日本人にも深刻な影響を与えています。

レストラン経営者が直面する人手不足の理由

シドニーで長年日本食レストランを経営する人は、こう語ります。
「以前はワーホリの若者が列を作っていました。でも今は誰も来ない」

理由は明白です。
働いても家が見つからず、見つかっても家賃が高すぎて生活できない。
それなら日本に帰った方がましだと、多くの人が判断しています。

ワーホリが来なくなった本当の原因

ビザの条件が厳しくなったわけではありません。
問題は生活が成り立たないことです。

かつて魅力だった「高時給」「余裕のある暮らし」は、すでに過去のものになっています。


オーストラリア住宅危機・3つの根本原因

では、なぜここまで事態が悪化したのでしょうか。
背景には、複数の要因が複雑に絡み合っています。

① 年50万人規模の移民流入と住宅不足

政府は経済成長を維持するため、毎年50万人規模で移民を受け入れてきました。
しかし、住居の供給はそれに追いついていません。

必要な新築住宅は年間20万戸以上。
実際に建てられているのは17万戸前後にすぎません。

② ネガティブギアリングが生んだ投機市場

投資用不動産の赤字を税控除できる「ネガティブギアリング制度」は、
家を住む場所ではなく投資商品に変えました。

富裕層が物件を買い占め、価格はさらに上昇。
一般家庭は市場から締め出されていきました。

③ 国土の95%が住めないという地理的限界

広大に見えるオーストラリアですが、実際に人が住めるのは沿岸部のごく一部です。
人口の90%以上が、限られたエリアに集中しています。


「家を建てるな」という反対運動が国を止めている

住宅不足に追い打ちをかけているのが、開発を阻む社会構造です。

NIMBY(Not In My Backyard)問題とは何か

「自分の家の近くにマンションを建てるな」
こうした反対運動は非常に強く、新規開発は次々と潰されています。

開発が1年以上止まる行政の現実

開発許可には数百日、地域によっては1年以上かかります。
その間にコストが膨らみ、業者は撤退してしまいます。


最も追い詰められているのは移住した若者たち

特に厳しい立場に置かれているのが、移住を選んだ若者たちです。

メルボルンで働く日本人のリアルな声

「時給は高い。でも全部家賃で消える」
これは決して大げさではありません。

家賃倍増、貯金ゼロの生活

数年で家賃が倍になり、貯金は常にゼロ。
耐えているだけの生活に、未来は見えません。


住宅問題だけではない、崩れ始めた社会インフラ

問題は住居だけにとどまりません。

救急車が3時間来ない医療崩壊

救急外来は10時間待ちが当たり前。
救急車もすぐには来ません。

教室不足・渋滞地獄の都市生活

学校も道路も限界を超えています。
人口増加にインフラが追いついていません。


オーストラリアで広がる静かな人種差別

@abcnewsaus

Thousands have marched in cities across Australia protesting against mass immigration. ABCNews

♬ original sound – ABC News Australia – ABC News Australia

経済的な不満は、社会の空気を変えていきました。

露骨ではない「巧妙な差別」の実態

表向きは親切でも、対応が明らかに違う。
そう感じる場面は少なくありません。

怒りの矛先が向かう先

本来向けられるべき怒りは、弱い立場の移民へと向かいます。


なぜ永住権保持者が帰国を選ぶのか

注目すべきは、帰国する人々が「失敗者」ではないことです。

耐える理由が消えた瞬間

差別を耐えてでも得られる経済的メリットが消えた。
それが決定打でした。

「2級市民」で生きる意味はあるのか

日本で堂々と生きた方がましだ。
そう結論づける人が増えています。


オーストラリアの未来は変えられるのか

残念ながら、楽観できる材料は多くありません。

政府対策が機能しない理由

供給不足は認識されているものの、対策は進みません。

有権者の66%が家を持つ国のジレンマ

価格を下げる政策は、選挙で敗北を意味します。


これは日本にとっても他人事ではない

この問題は、オーストラリアだけの話ではありません。

努力しても家を持てない時代の到来

都市部では、同じ兆候が見え始めています。

世界中で同時に起きている現象

ロンドン、ニューヨーク、トロントも同じ状況です。


移住やワーホリを考える前に知ってほしいこと

数年前のオーストラリアとは別の国

イメージの更新が必要です。

「楽園」は本当に海外にあるのか

場所ではなく、どう生きるかが問われています。


それでもあなたはオーストラリアを目指しますか?

かつて憧れだった国は、今や厳しい現実を突きつけています。
移住もワーホリも、夢だけで決める時代は終わりました。

あなたはこの現実を知った上で、どんな選択をしますか。

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