バリ島「Indonesia Tourist Travel Pack」でキャッシュレス旅行：観光客の不安に答える完全ガイド

“キャッシュレス”旅行への不安をやわらげる

バリ島を訪れるとき、多くの人が「現地での支払いどうしよう？」「両替やATMを探す手間がかかるのでは？」と感じるはず。そんな悩みを解消してくれるのが、バンク・インドネシア（BI）による Indonesia Tourist Travel Pack（ITTP）。到着直後からスマホで支払いができる、この新しいデジタル決済の仕組みについて、メリットと注意点を丁寧に解説します。

Indonesia Tourist Travel Pack（ITTP）とは？

Indonesia Tourist Travel Pack（ITTP）は、観光客がバリ島に到着したときから簡単にキャッシュレス決済を使えるようにするための「デジタル旅行サポートパッケージ」です。

ITTPの内容・特徴

SIMカード＋データ通信
観光客用のTelkomsel SIMカードまたはeSIMが含まれており、インドネシア国内でスマホがつながる。

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e-ウォレット
チップ型（カード型）の電子マネー（例：Mandiri e-Money、Flazzなど）と、サーバー型（アプリ型）ウォレット（例：OVO、GoPayなど）の両方を使える。
QRコード決済（QRIS）と統合
ITTPのウォレットは、インドネシア標準のQR決済方式「QRIS」と連携。多くの店舗でスマホ決済が可能。
観光案内サポート
空港内のTourist Information Center（TIC）で、SIMの使い方やe-ウォレットの設定を教えてくれる。また、「QRIS ツーリズム案内ブック（ガイド）」も配布され、どこでQR決済が使えるかを案内してくれる。

インドネシアツーリストトラベルパック（Indonesia Tourist Travel Pack）は、2025年11月10日から導入されました。

購入場所は、主にバリ島のイ・グスティ・ングラ・ライ国際空港（デンパサール空港）の国際線到着ターミナル内にある「ツーリズム・インフォメーション・センター（TIC）」または銀行のパートナーブースです。

詳細は以下の通りです。

導入開始時期: 2025年11月10日。
主な購入場所: バリ島のイ・グスティ・ングラ・ライ国際空港の国際線到着エリア。
内容: インドネシアのSIMカードまたはeSIM（データ通信付き）、チップ型電子マネー、eウォレットサービスの登録ガイドなどが含まれており、外国人観光客のキャッシュレス決済を容易にすることを目的としています。
目的: バンク・インドネシア（インドネシア銀行）による取り組みで、バリ島を皮切りに国内全土でのキャッシュレス観光エコシステムの推進を目指しています。

日本国内の旅行代理店や一般の販売店では取り扱いに関する情報は見つかりませんでした。現地到着後の空港で購入するのが一般的です。

Ricky

一言で言うと：「SIM＋ネット＋デジタルお財布がセットになった、観光客向けのオールインワン決済パッケージ」。

かみ砕いて言うと、バリ島に着いた瞬間からスマホ1台でインターネットも支払いもOKになる、とっても便利なセット。

なぜこの仕組み（ITTP）が作られたのか

観光客の利便性を高めたい
- 観光客がバリ島に到着してから、ATMや両替所を探す手間を省きたい。
- 到着直後にSIM＋デジタルウォレットを受け取れる体制を空港に整えることで、スムーズでストレスのない旅の始まりを実現。
- スマホ一つで通信と支払いができるので、旅行中の支出管理がラクになる。
観光地のキャッシュレス化を推進
- 観光業が重要な地域経済を支えるバリ島を、デジタル決済のモデル地域にしたい。
- QRIS（共通QR決済）を観光分野に広げ、飲食店やお土産屋、観光施設などでスマホ決済が当たり前になる世界を目指す。
- QR決済を使いやすくするガイドブック（観光スポット × QRIS対応店舗）も用意し、観光客がどこでもキャッシュレスで買えるように案内。
地域ビジネスのデジタル化を後押し
-ローカルの飲食店、小売店、交通サービスなどがQR決済を導入しやすくなり、現金を扱うコストやリスクを下げられる。
- 中小ビジネスがキャッシュレス取引を通じて利益を上げやすくなり、観光収益がより効率よく地元に還元される。
- 決済の透明性が高まることで、商売の信頼性も向上し、地元経済のデジタル循環を強化。
長期的なデジタル経済戦略の一部
- ITTPは単なる観光施策ではなく、バンク・インドネシア（BI）の中長期戦略。デジタル決済の普及を通じて、キャッシュレス社会への移行を加速させようとしている。
- QRISを観光客に使ってもらうことで、そのエコシステムをさらに拡大。加盟店舗や利用者を増やすことで、全国的なキャッシュレス基盤を強化。
- 国際的なQR決済（クロスボーダー）との連携強化も見据えており、観光を通じたデジタル金融のグローバル展開も視野に入れている。

観光客にとってのメリット（ITTP利用時に得られる具体的な恩恵）

到着直後からスマホ1台で通信・支払いが可能
- 空港に到着して案内カウンターでITTPを受け取れば、すぐに現地SIMが使えてデータ通信が可能。
- 同時にe‑ウォレットに一定の残高があらかじめ用意されているパックもあり、最初からキャッシュレス支払いが始められる。
- これにより、ATMを探したり大量の現金を両替したりする手間が省け、旅のスタートがよりスムーズ。
少額決済でもQRコード（QRIS）を使ってスマホ支払いができる
- レストラン、カフェ、お土産屋、タクシーなど、さまざまな観光スポットでQRコードをスキャンして支払いができる。
- 小さな買い物でもスマホ決済を使えばコインや小銭のやり取りを気にせずに済む。
- e‑ウォレットとQR決済を組み合わせて使えるから、自分の支払いスタイルに合わせて柔軟に使える。
現金をあまり持ち歩かなくて済む → セキュリティが高い
- スマホを使った支払いが増えることで、財布に多額の現金を入れて持ち歩く必要が少なくなり、盗難・紛失リスクが下がる。
- 電子ウォレットに残高があるので、使い過ぎをスマホで管理できる。
- 支払い履歴が記録として残るので、支出の確認もしやすく、安全性が高まる。
現地スタッフによるサポートがあり、初心者でも使いやすい
- 到着空港の観光案内センター（TIC）では、スタッフがSIMの設定やe‑ウォレットの使い方、チャージの方法などを丁寧に教えてくれる。
- QR決済の使えるお店やおすすめスポットを紹介するガイド（QRIS観光ガイド）があり、初めてキャッシュレス決済を使う旅行者でも安心。
- サポートがあることで、スマホ決済に不慣れな人でもスムーズにITTPを活用できる。

注意すべきポイント・デメリット（QRIS／ITTP利用時）

偽QRコード（QRIS）のリスク
- 実際に、偽のQRISコードが貼られていた事例もある。特に公共施設や寄付箱のような場所で、正規のQRコードが上書きされていたケースが報告されている。
- 怪しいQRをスキャンすると、詐欺サイトに誘導される可能性がある。ウイルス・フィッシングにつながることも考えられる。
- 対策としては、支払い前にアプリに表示される「店舗名」「金額」が正しいかをよく確認する。信頼できる流通店舗かどうかをチェックする習慣を持つべき。
チャージ残高・残高管理の難しさ
- e‑ウォレットを使うには事前にチャージ（お金を入金）する必要がある。チャージ方法や場所が分かりにくいと、最初は戸惑う可能性がある。
- チャージした後も、残高をこまめに確認しないと「残高不足で支払いができない」「思ったよりチャージを使い切っていた」という状況になり得る。
ネットワークやカメラ等の技術的な問題
- QRコード読み取りがうまくいかない原因として、スマホのカメラ性能・明るさ・QR印刷の質などがある。読み取りが失敗して支払いができないこともある。
- ネット回線が不安定だと、支払いに時間がかかったり、トランザクションが保留になることがある。
完全キャッシュレスのリスク
- QRISやデジタルウォレットだけに頼るのはリスクあり。すべての店舗がQR決済に対応しているわけではない。特にローカル、規模の小さな店では現金しか使えないところもある。
- スマホのバッテリー切れ、アプリの不具合、ネット接続トラブルなどで支払いができない事態を想定して、ある程度の現金を持っておくと安全。
詐欺・不正利用への注意
- なかには、QR決済を悪用した詐欺の手口もある。偽QRによって資金が不正に転送される可能性、あるいは個人情報を盗まれるリスクも指摘されている。
- 安全性を高めるためには、公式アプリ（銀行／ウォレット提供者のアプリ）でスキャンし、QRスキャン後の画面で表示される受け取り先と金額を必ず確認する。

実際に使うときの流れ（ITTP：空港～支払いまで）

バリ島到着 → 観光案内センター（TIC）へ
到着ターミナルにある観光案内所（TIC）に向かいます。ここが、ITTPを受け取ったり設定をサポートしてもらえる窓口です。
ITTP（Travel Pack）を申し込む
案内所で「Tourist Travel Pack（Travel Pack）」を申請します。パッケージには、TelkomselのSIMカード（またはeSIM）＋データ通信が含まれています。また、初期チャージ済みのe‑ウォレット（QR決済用）がセットになっているタイプも選べます。
スタッフによるアプリ／ウォレット設定サポート
案内カウンターのスタッフが、e‑ウォレットの初期設定や登録を手伝ってくれます。チップ型（カード型）やサーバー型（アプリ型）ウォレット、どちらを選ぶか相談もできます。さらに、QR決済（QRIS）の使い方も丁寧に説明してくれるので、キャッシュレスが初めての人でも安心です。
QRISガイドブックを受け取る & 決済可能スポットを確認
「QRIS Wisata Nusantara（観光用QRISガイド）」という案内冊子／ガイドを受け取れる場合があります。これを見れば、観光地・飲食店・お土産店など、QRコード支払いに対応している場所がわかります。
観光中にQR決済を活用
レストラン、カフェ、お土産屋さん、タクシーなど、さまざまな場所でQRコードをスキャンして支払いが可能。ウォレットの残高を使って支払い、必要に応じてチャージ（追加入金）もできます。これで現金を少なく持ち歩きながら快適に旅行ができます。