「え、バリ島旅行の計画中なんだけど、『海のニュピ』って何?」
「2025年10月7日って書いてある…この日、ペニダ島に行く予約、しちゃだめ?」
「船も動かないの? ダイビングもできないの? それって具体的にどういう影響があるの?」
バリ島旅行の計画を楽しく立てている最中に、こんな謎の単語「海のニュピ(Nyepi Laut)」が出てきて、ちょっと不安になっていませんか?
せっかくの夢の旅行が、知らない間に「何もできない日」になっていた…!なんてことは絶対に避けたいですよね。
ご安心ください!この記事は、「海のニュピ」を完全解説する「旅行者視点の対策ガイド」です。
難しい宗教的な話はほどほどに、大事なポイントだけをわかりやすくまとめました。
この記事を読めば、
- 自分が行くエリアが対象か、すぐにわかる
- 具体的に何ができなくなるのかがはっきりする
- 旅行計画をどう修正すればいいか、的確な判断ができる
ようになります。
それでは、「海のニュピ」の基本から、旅行への影響、そして対策法まで、さっくり見ていきましょう!
2025年「海のニュピ(Nyepi Laut)」実施概要:ペニダ島周辺の海洋活動が完全停止する日
バリ島旅行の計画、特にヌサペニダやレンボンガン、チュニンガンの各島への訪問を考えられているなら、2025年10月7日という日付はしっかりとチェックしておいてください。この日は「海のニュピ(Nyepi Laut)」という、バリ・ヒンドゥー教の重要な儀礼日にあたります。これにより、これら3島周辺におけるすべての海洋活動が禁止されます。
実施日時と対象エリアをチェック
2025年の実施日時
- 日付: 2025年10月7日(火)
- 時間帯: 現地時間の10月7日 6:00 から 10月8日(水)6:00まで(24時間)
- この期間中、対象地域では一切の海に関する活動が禁止されます。
対象となるエリア
「海のニュピ」の規制が適用されるのは、バリ島本土ではなく、バリ島東部のクルンクン県に属する以下の3つの島々(通称「ヌサレンボンガン」エリア)のみです。



禁止される主な活動
これらの島々とその周辺海域では、以下のような一切の海洋活動が禁止されます。
- ダイビング・シュノーケリング
- ボートでの島々へのアクセスや島間移動
- 漁業活動
- 海水浴やビーチでの遊泳
- 海岸線での騒々しい活動(大音量の音楽など)
海のニュピとは?バリ島の静寂の日「ニュピ」との違い
「ニュピ(Nyepi)」も「海のニュピ(Nyepi Laut)」も、その根底に流れる「静寂を守り、内省と浄化の時を過ごす」というバリ・ヒンドゥー教の精神は共通しています。しかし、その規模や目的、対象地域が異なります。
海のニュピの意味
「海のニュピ」は、”Nyepi”(静寂)と “Laut”(海)を組み合わせた言葉で、その名の通り海に静寂をもたらす日です。海と海洋の神であるデワ・バルナ(Dewa Baruna)が瞑想を行う日とされ、その瞑想を邪魔すると大きな災いが起こると信じられているため、一切の海洋活動を自粛し、海の神への敬意を表します。これにより、海の環境浄化と休息ももたらされると考えられています。
ニュピ(静寂の日)の意味
一方、通常「ニュピ」と呼ばれる「静寂の日」は、バリ・ヒンドゥー暦の新年を迎える最も重要な宗教行事です。島全体を静寂に包み込むことで、前日にパレードで追い出した悪霊がバリ島に人がおらず、灯りもないと思い込み、去っていくのだと信じられています。それと同時に、人々は外出や娯楽を控え、断食や瞑想を行い、自己反省と浄化の時を過ごします。空港や港は完全に閉鎖され、観光客を含む島のすべての人々がこの規則を守る必要があります。
主な違いの比較
特徴 | 海のニュピ (Nyepi Laut) | ニュピ (Nyepi, 「静寂の日」) |
---|---|---|
目的 | 海の神デワ・バルナへの敬意。海の神様が瞑想する日とされ、その邪魔をすると災いが起こると考えられている。 | バリ・ヒンドゥー暦の新年。島全体の浄化、自己反省、内省、悪霊を欺き島を静寂に包む。 |
規模と対象地域 | ペニダ島、レンボンガン島、チュニンガン島の3島とその周辺海域のみ。 | バリ島全域。 |
主な禁止事項 | 海洋活動の全面禁止(船舶運航、ダイビング、シュノーケリングなど)。 | 一切の外出、灯火の使用、労働、娯楽(空港の完全閉鎖を含む)。 |
期間 | 10月7日6:00 ~ 10月8日6:00(24時間) | 3月29日6:00 ~ 3月30日6:00(24時間、年により変動) |
旅行者への影響 | 対象3島では海のアクティビティや島へのアクセスが不可能。バリ島本土への影響はなし。 | バリ島全域で一切の外出が禁止。空港も閉鎖され島の内外への移動も不可能。ホテル内での静かな滞在が求められる。 |
- 「海のニュピ」は2025年10月7日、ペニダ島・レンボンガン島・チュニンガン島のみで実施され、海洋活動が全面禁止になります。
- 「ニュピ」(静寂の日)は2025年3月29日、バリ島全域で実施され、一切の外出や活動が禁止され、空港も閉鎖されます。
- お互いに「静寂」を重んじる日ですが、規模と目的が全く異なる別の行事です。
旅行計画を立てる際は、どちらの「ニュピ」がいつ、どこで行われるのかを確認し、特に「海のニュピ」の期間中は対象となる島々への訪問や海洋アクティビティを計画しないように注意すれば、バリ島の文化を尊重し、トラブルのない旅行ができるでしょう
海のニュピの目的と神々しい意味
「海のニュピ」は、単なる「海がお休みする日」ではありません。バリ・ヒンドゥー教の深い信仰と、自然との調和を重んじるバリの人々の哲学が詰まった、神聖な儀式なのです。ここでは、その神々しい意味と目的について詳しく見ていきましょう。
海の神デワ・バルナ(Dewa Baruna)への敬意
海のニュピの最も重要な目的は、バリ・ヒンドゥー教における海の神様であるデワ・バルナ(Dewa Baruna)への深い敬意と感謝を表すことです。
デワ・バルナは、海の広大さと力を持つ神様として信仰されています。バリの人々の信仰によれば、デワ・バルナ神はこの日に一年に一度の深い瞑想(タパ・ヨガ)を行うとされています。神様が集中して瞑想している最中に、人間が船を走らせたり、ダイビングをしたり、海で騒いだりすることは、神聖な儀式を妨げる行為と考えられているのです。
「神様の瞑想を邪魔すると、海が荒れ、災いが起こる」という言い伝えがあり、これが海洋活動の全面禁止という形で現在まで受け継がれてきました。つまり、海のニュピは神様へのリスペクトを示し、海の平安と恩恵を持続させるための重要な儀式なのです。
バリの人々は、海からもたらされる豊かな漁業資源や、観光資源としての美しい海への感謝の気持ちを、この「静寂」を通じて表現しています。
海洋環境の静寂と浄化への願い
海のニュピには、宗教的な意味合いだけでなく、現実的な環境保全の側面も大きく関わっています。
海に休息を与える日として、この24時間は人間の活動から海を解放します。これにより、以下のような効果が期待されています。
- 海洋生態系への休息: ダイビングやボートの往来など、人間の活動が停止することで、サンゴ礁や魚たちを含む海洋生態系に休息と再生の時間を与えます。
- 環境負荷の軽減: 船舶の燃料による水質汚染や、騒音ストレスから海の生物を一時的に解放します。
- 自然への畏敬の念の再確認: 海の恩恵に感謝し、人間と自然の適切な距離感を見つめ直す機会となります。
バリ島では「トゥムペック・ランドゥップ」という、海の清掃を目的とした儀式も別途行われていますが、海のニュピも同様に、海の浄化と環境保全を願う気持ちが込められています。
「すべてのものには神が宿る」というバリ・ヒンドゥー教の考え方(アニミズム的要素)は、海に対しても同様です。海そのものやそこに住む生物への敬意が、このような形で現代まで伝統として守られ続けているのです。
海のニュピは、信仰心と環境保護への意識が融合した、バリ島の深く美しい文化の現れと言えるでしょう。観光客として訪れる私たちも、このような背景を理解し、現地の文化を尊重する態度が求められます。
旅行者への影響は?〜ペニダ島・レンボンガン島・チュニンガン島へ行く方へ〜
海のニュピについて「なんとなく大変そう」というイメージはあっても、具体的に何ができなくなるのかが分からないと、旅行計画が立てづらいですよね。ここでは、ペニダ島・レンボンガン島・チュニンガン島を訪れる予定の方に向けて、具体的な影響を詳しく解説します。
絶対にNGな行動|禁止事項のすべて
海のニュピの期間中(2025年10月7日6:00~10月8日6:00)、対象となる3つの島では、以下のような一切の海洋活動が全面的に禁止されます。これは観光客も例外ではありませんので、必ず守りましょう。
- すべての船舶の運航: バリ島本土からのアクセス船、島々を結ぶ連絡船、チャーター船など、一切の船が運休します。
- マリンスポーツ全般: ダイビング、シュノーケリング、フィッシング、ジェットスキー、サーフィンなど、海に入って行うすべてのレジャー活動。
- 海辺での活動: 海水浴やビーチでの遊泳はもちろん、ビーチでのんびりするような行為も控えるべきです。
- 海岸線での騒音: ビーチで大音量で音楽を流すなど、騒々しい行為は神聖な儀式の雰囲気を壊すため、厳に慎みましょう。
船舶・ダイビング・シュノーケリングは?
これらに関する影響は、非常に明確です。
- 船舶(フェリー・ボート): 全て運休が確定しています。10月7日の早朝6時までに島に到着していない場合、その日は島に渡る手段がありません。逆に、島にいる場合は10月8日の6時までは島を出ることができません。主要な船会社への事前確認と、日程の調整が必須です。
- ダイビング & シュノーケリング: 全てのツアーが催行中止となります。ダイビングショップも休業するため、予約していてもキャンセルとなることを想定しておきましょう。海に入ること自体が禁止の対象です。
島内の施設は営業している?
これが一番気になるポイントかもしれません。結論から言うと、観光客向けの施設のほとんどは休業すると思ってください。
- レストラン&カフェ: 地元の人々が営む小さなウォルン(食堂)は営業している可能性もありますが、観光客向けのレストランやカフェの大半は閉まります。ホテルのレストランが唯一の食事の確保手段となる可能性が高いです。
- 観光施設&ショップ: 観光案内所やお土産屋さんもほぼ閉店します。
- 宿泊施設(ホテル・ゲストハウス): 宿泊施設自体は営業しています(チェックイン・チェックアウトは可能)。しかし、ホテル内でも静かに過ごすことが求められます。プールの使用ができるかどうかは施設によるため、事前確認が必要です。
💡 アドバイス
- 移動: 10月7日は「移動不能の日」 です。前日までに島に到着するか、8日以降に訪問するように計画しましょう。
- アクティビティ: 海のレジャーは100%諦めてください。代わりに、読書や写真整理、のんびり休息する日と割り切りましょう。
- 食事: ホテルに食事の準備があるか事前に必ず確認し、必要であれば軽い食料や飲み物を前日までに購入しておきましょう。
現地の大切な文化を尊重しながら、できる限り快適に過ごすためには、「何もできない日」と前向きに捉え、準備して臨むことが最大の対策です。
バリ島本土(クタ・ウブド等)への影響は?
「海のニュピ」というと、なんだかバリ島全体が大変なことになるのでは?と心配される方もいるかもしれません。ですが、ご安心ください!
結論からお伝えすると、バリ島本土(クタ、サヌール、ウブド、スミニャク、ジンバランなど)への影響は、基本的にありません。
これは「海のニュピ」が、ペニダ島、レンボンガン島、チュニンガン島という特定の3島のみを対象とした儀式だからです。バリ島本土では、この日は通常通りの日常生活と観光活動が営まれます。
✅ バリ島本土で通常通りできること
- 移動・交通: 空港(ングラライ国際空港)は通常運航しています。タクシーや Grab、Gojek、レンタルバイクや車での移動も全く問題ありません。
- 観光・アクティビティ: ウブドのモンキーフォレストやテガラランの棚田、タナロット寺院など、本土の観光名所は全て通常オープン。スパやマッサージ、ショッピングも楽しめます。
- 飲食: レストラン、カフェ、バー、屋台などは全て営業しています。
- ビーチ: 本土のビーチ(クタビーチ、ジンバランビーチ等)は使用可能です。海水浴や日光浴、サーフィンなども通常通り楽しむことができます。
❌ バリ島本土でも影響を受けること(間接的影響)
唯一の影響は、「ペニダ島などへの日帰りツアーが催行されない」 という点です。
- 当日にペニダ島へ行くダイビング、シュノーケリング、観光ツアーは、全て中止になります。
- ツアー会社によっては、代わりにバリ島本土のコース(ブルーラグーンでのダイビングなど)を案内してくれる場合もありますが、基本的には「海のニュピ」対象外のエリアでのみ活動が行われます。
💡 本土にいるなら、いつも通り楽しもう!
- 「海のニュピ」はあくまで「離島3島だけ」の行事です。バリ島本土は普段と全く変わりません。
- もしあなたの旅程に10月7日が含まれていて、かつバリ島本土に滞在する予定なのであれば、何も心配する必要はありません。観光計画を変更する必要は全くないでしょう。
- 逆に、「この日にペニダ島でダイビングを予定していた!」 という場合は、計画の見直しが必須です。ツアー会社にすぐに確認し、日程を前倒しするか、本土で別のプランを立てることをお勧めします。
バリ島本土にいる方は、この日をいつも通りの観光日として思い切り楽しんでくださいね!
旅行計画を立てる際のアドバイス
海のニュピの期間中にトラブルに遭わないためには、事前の計画が何よりも重要です。以下のポイントを押さえて、スマートな旅行計画を立てましょう。
計画前に必ず確認!日程調整のポイント
- 最重要ルール: 10月7日は「移動不能デー」と心得る
- この日は対象3島と本土を結ぶすべての船舶が運休します。つまり、10月6日までに島に渡るか、10月8日以降に島に渡るという計画だけが可能です。7日に島に到着する便を予約することは絶対にできません。
- 宿泊予約の確認: 対象の島に宿泊予定の場合、ホテルに「海のニュピの期間中の食事提供の有無」と「施設内でどのように過ごせるか」を事前に必ず確認しましょう。レストランが閉まる可能性が高いため、食事の手配は必須です。
- ツアー予約の調整: ダイビングやシュノーケリングなど、海洋アクティビティは10月7日は完全に中止となります。ツアー会社と事前に連絡を取り、日程を前倒しするか、キャンセルの手続きを進めましょう。
やむを得ず滞在する場合の過ごし方
万が一、スケジュールの都合で対象の島に滞在することになってしまった場合は、以下のように過ごすことをお勧めします。
- 心構え: 「何もできない日」ではなく、「静かに内省と休息を楽しむ貴重な文化体験デー」と前向きに捉えましょう。
- 準備: 前日までに軽食や飲み水、読書する本やダウンロードした動画など、ホテル内で過ごすための準備を整えましょう。
- 過ごし方: ホテルのプールが利用可能か確認し、読書、写真の整理、日記をつける、ゆっくり休息するなど、静かな時間を楽しむように心がけましょう。
- 行動: たとえビーチが目の前でも、海に入ったり、ビーチで騒いだりすることは厳に控え、現地の文化と規則を尊重した行動を取りましょう。
参考:2025年バリ島の主な祝祭日カレンダー
バリ島の祝祭日はヒンドゥー暦に基づくため、毎年日付が変わります。2025年の主な祝祭日は以下の通りです。旅行計画を立てる際の参考にしてください。
- ニュピ(静寂の日): 2025年3月29日(前日の28日はオゴオゴ・パレード)
- バリ島全体が完全に停止する最も重要な日。空港も閉鎖され、一切の外出が禁止されます。
- ガルンガン & クニンガン: 2025年4月23日 & 5月3日
- 善が悪に打ち勝ったことを祝う、バリ島で最も重要な宗教的な祝祭の一つです。寺院や家々に精巧な飾り付けが施されます。
- サラスワティの日: 2025年9月6日
- 知恵と学問の女神サラスワティを称える日。本や知識に関わるものに感謝を捧げます。
- パゲルウェシの日: 2025年9月10日
- 家や寺院の門に「パゲルウェシ」というお守りを巻き、悪霊から守る儀式が行われる日です。
- ニャピ・ラウト(海のニュピ): 2025年10月7日
- 今回ご説明した、ペニダ島等3島で海洋活動が全面禁止となる日です。
まとめ:文化を尊重し、素敵な旅を計画しましょう
「海のニュピ」は、バリ島の深い信仰と自然への畏敬の念が形となった神聖な伝統儀式です。観光客として訪れる私たちにとっては、一時的に不便に感じるかもしれませんが、その背景にある文化や精神を理解し、尊重することが大切です。
ほんの少しだけ計画に気を配るだけで、このユニークな文化体験をトラブルなく過ごし、思い出深い旅の一部とすることができます。
ポイントはたった一つ
「2025年10月7日は、ペニダ島・レンボンガン島・チュニンガン島との間の移動と海のアクティビティは完全停止する」
このルールを守って、バリ島の美しい海と文化を心ゆくまで楽しむ、素敵な旅を計画してください。

2025/10/7はチュニガン島からペニダ島へ移動する予定だったので、これから調整しなくちゃ。☺
ニュピの経験はあるから今回も自省の日とするかな。
最後まで読んでくれてありがとう。次の記事でまた、お会いしましょう。またねー。
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