バリ島といえば、青い海と空に包まれた楽園。そんな場所で思いっきりアクティビティを楽しみたい!……そう思っている人も多いはず。でも、つい先日、パラグライダー中の韓国人観光客2人が海に墜落し、命を落とすという悲しい事故が起きました。
「ちゃんと資格も持ってたのに、なんでそんなことが…?」
「自分も今度バリでパラグライダーやる予定だけど、大丈夫かな…」
そんな不安や疑問を感じた方もいるかもしれません。
この記事では、事故の経緯や現地の状況、安全対策のポイントなどをわかりやすくお伝えします。現地でアクティビティを楽しむ人が、少しでも安全に旅を続けられるように——そんな思いを込めてまとめました。
いても見ていきましょう。
- 🟨事故の概要|バリ島で発生したパラグライダー死亡事故とは
- 🟨事故の原因|突然の風向きの変化と緊急着陸の失敗
- 🟨遺族と現地当局の対応
- 🟨旅行者への教訓|パラグライダー事故から学ぶべきこと
- 🟨考察|高さ80mから海面に落ちたら人間はどうなるのか?
- 🟨まとめ|バリ島でアクティビティを楽しむ旅行者への注意点
🟨 事故の概要|バリ島で発生したパラグライダー死亡事故とは
🟩 場所はどこ?「タナ・バラク・ビーチ」での出来事
事故が発生したのは、バリ島南部・バドゥン県クタ南地区のクトゥ村周辺にある「タナ・バラク・ビーチ」。このビーチは、ローカルには知られたスポットながら、観光ガイドにはあまり出てこない静かな海辺です。
現場は、バリ島の人気観光地・クタの南側に位置しており、パラグライダーや海上アクティビティが行われることもあるエリア。ただし、安全設備や監視体制が整っているわけではないため、個人やグループでの自己責任の飛行が主流のようです。
🟩 事故発生の日時と状況
事故が起きたのは、2025年7月17日(木)12時30分ごろ。犠牲となったのは、韓国人の夫婦2人—ソジン・ハンさん(43歳)とファン・ジナさん(41歳)です。
2人はこの日、エンジン付きのソロパラグライダーで飛行していました。インストラクターやタンデム(2人乗り)ではなく、完全に自力で飛行していたことが明らかになっています。しかも、使用していた装備は韓国から持ち込んだ専用のもので、個人所有の機材でした。
飛行開始から約10分後、突然風向きが変わるトラブルが発生。その影響で2人のパラグライダーは制御不能になり、そのまま海に墜落してしまったのです。
🟩 被害者はパラグライダー資格を持つ韓国人男女
ソジン・ハンさんとファン・ジナさんは、韓国国内でパラグライダーのライセンスを正式に取得しており、一定の技術や経験も持ち合わせていました。バリ島には友人グループと一緒に滞在しており、みんなでパラグライダーを楽しむために訪れていたようです。
事故の際、2人はパニック状態に陥ってしまい、パラグライダーの座席装備(ハーネス)を外せないまま海中に沈んでしまったと報告されています。発見されたときにはすでに意識はなく、その後デンパサールのバリ・マンダラ病院に搬送されたものの、死亡が確認されました。
遺体はバリ島で火葬され、遺骨は韓国に送還される予定とのことです。
このように、経験や資格があっても自然の力には勝てないことを強く印象づける事故でした。次の章では、事故の背景や風の影響、安全対策の課題についてさらに掘り下げていきます。
🟨 事故の原因|突然の風向きの変化と緊急着陸の失敗
🟩 風速・風向の変化がもたらした危機
事故の直接的な原因とされているのが、飛行中に突然起きた風向きの変化。この日は天気もよく、一見すると穏やかな日だったそうですが、高度80メートル付近で風向きが急変したことで、操縦が難しくなったと見られています。
パラグライダーは風を利用して空を飛ぶため、ちょっとした気流の変化が大きなトラブルにつながることも少なくありません。今回のようにソロで飛行している場合、瞬時の判断と操作ミスが命取りになることもあります。
特に海辺の空域では、地形や気温差の影響で風が読みにくいこともあり、現地での経験がないと予測はさらに難しくなります。
🟩 ロープに絡まり脱出不能に
風にあおられ、コントロールを失った2人のパラグライダーはそのまま海に墜落。ただ、落下そのものよりも致命的だったのは、落ちたあとにロープやハーネスに絡まってしまい、脱出ができなかったことです。
2人とも、パニック状態になったことにより、座席装備(ハーネス)を外すことができなかったと伝えられています。水の中で体が自由に動かせない状態で沈んでしまい、そのまま溺れてしまったというのが事故の経緯です。
海上でのパラグライダーは、落水時の対処法が生死を分けることもあります。ロープや装備が命綱であると同時に、時として“命を奪うリスク”にもなることを忘れてはいけません。
🟩 救助のタイミングとその後の経過
事故発生後、すぐに救助活動が開始されましたが、2人が水中から引き上げられたのは約20分後。その時点ですでに2人とも意識がなく、すぐにデンパサールのバリ・マンダラ病院に搬送されました。
残念ながら、病院でも蘇生処置は実らず、死亡が確認されました。
パラグライダーやスカイスポーツでの海上落下は、救助までの“数分”が生死を左右する世界です。装備が整っていても、現地に常駐する監視員や海難対応チームがいない場合、迅速な対応が難しいという課題も見えてきます。
🟨 遺族と現地当局の対応
🟩 遺族の判断により解剖は実施されず
現地警察によると、遺族は2人の遺体の解剖を望まなかったとのことです。そのため、正式な法医学的検査は行われず、死因は目撃証言と現場状況から判断された形となります。
事故当時の目撃者や警察の初期調査からは、風の急変・パニック・脱出不能という流れが明らかになっており、外傷などは見られなかったようです。
🟩 バリ島で火葬、韓国へ遺骨を移送予定
2人の遺体は、バリ島で火葬が行われ、その後遺骨が韓国へ送還される予定です。これは、宗教的・文化的な配慮や、遺族の意向が反映された形だと考えられます。
現地での火葬はインドネシアでも一般的な処理方法のひとつであり、海外からの観光客が亡くなった場合も、火葬を経て遺骨を本国に返す手続きが多く用いられます。
🟩 現地警察による今後の調査
事故発生後、インドネシア警察(特に南クタ地区の警察)は、気象状況、飛行経路、機材の状態などの確認を含む調査を続けています。
パラグライダーは韓国から持ち込まれた私物だったため、現地の業者や施設に明確な責任を問うのは難しいケースです。ただし、今後同様の事故が起きないよう、安全ガイドラインの見直しやエリアの規制強化が検討される可能性もあります。
次章では、この事故を受けて「旅行者が気をつけるべきこと」や「パラグライダーを安全に楽しむためのポイント」についてご紹介します。安全にアクティビティを楽しむために、今できることを一緒に考えてみましょう。
🟨 旅行者への教訓|パラグライダー事故から学ぶべきこと
🟩 資格保持者でも起こるリスクとは
「ちゃんと資格を持っていれば大丈夫」——そう思ってしまうのは無理もありません。でも今回の事故からも分かる通り、どれだけスキルがあっても“自然”の前では完璧はありえないのです。
パラグライダーやスカイダイビングなどのエアスポーツは、ちょっとした気象の変化や装備のトラブルで状況が一変します。とくに“ソロ”でのフライトや、現地に詳しくない場所での活動はリスクが高くなりがち。
つまり、資格や経験だけでなく、その場その時の「判断力」と「慎重さ」も同じくらい大事だということですね。
🟩 現地の気象状況チェックの重要性
観光地でのアクティビティって、どうしても「せっかくだし!」って無理してしまいがち。でも、その日の天候や風の動きって、本当に大きなカギなんです。
バリ島のような海に囲まれたエリアでは、急な風向きの変化が起きやすく、予測が難しいこともしばしば。地元の気象情報や、インストラクターの判断をしっかり確認することが大切です。
特にフライト系のアクティビティは、風速・風向・湿度など、細かなデータの確認が命を守る第一歩。予約をキャンセルするのはもったいない気もしますが、「やめる勇気」も旅行者にとっての重要なスキルです。
🟩 海上アクティビティ時の安全対策
今回の事故では、海への墜落後にロープやハーネスに絡まり、脱出できなかったことが命取りになりました。つまり、「落ちた後の対策」ができていなかったわけです。
海上アクティビティを行う際は、以下の点に注意しておきましょう:
- 装備の脱着方法を事前にしっかり確認
- 水中での脱出訓練を受けておく(可能であれば)
- ライフジャケットや緊急フロート装備を必ず使用
- 万が一のときに備えた“自己救助”の知識を持っておく
海に落ちることは想定外でも、落ちたあとの行動は準備次第で変えられるものです。
高さ80メートル(約ビル25階相当)から水面に落下した場合、水はコンクリートのように硬くなるため、人体には致命的な衝撃が加わります。以下にその影響をわかりやすく解説します。
考察:高さ80mから海面に落ちたら人間はどうなるのか?
💥 落下時の速度と衝撃
- 高さ80mから自由落下すると、着水時の速度は時速140〜150km(秒速約39m)になります。
- この速度で水面に衝突すると、水はほとんど“硬い地面”と同じように作用します。
- 身体は強い打撲、骨折、内臓損傷、脳震盪や意識喪失を起こす可能性が極めて高いです。
⚠ 人体に起こる可能性のあること
- 全身の骨折・脊椎損傷
特に足から落ちた場合は脚・骨盤、頭からなら頭蓋骨破裂、首の骨が折れる可能性。 - 肺への水の吸引(溺水)
意識を失った場合、呼吸ができないまま水中に沈み、短時間で溺れてしまうリスクが高まります。 - 衝撃による即死も
頭部を打ったり、胸部を強打すると即死や心停止につながる可能性もあります。
🛟 特に危険なケース:装備がある場合
事故のようにパラグライダー装備(ハーネスやロープ)が身体に巻き付いた状態だと:
- 自由に動けず脱出不能
- 浮上も困難
- パニックによって呼吸困難が早まる
これにより、数分以内に命を落とす可能性が非常に高くなります。
高さ80mから水に落ちるのは、ほぼ「高速で地面に激突する」のと同じ。
生存できる可能性は非常に低く、たとえ助かっても重度の障害が残るケースが多いです。
だからこそ、空中スポーツでは落下そのものより、「落下後の対処」や「落ちないための判断」が何より重要なのです。
🟨 まとめ|バリ島でアクティビティを楽しむ旅行者への注意点
🟩 体験型レジャーの魅力と隣り合わせの危険
パラグライダー、スキューバダイビング、バンジージャンプ…バリ島には魅力的なアクティビティが盛りだくさん。でもその分、一歩間違えば重大な事故につながるリスクもあります。
「大丈夫だろう」「みんなやってるし」ではなく、常に“自分の命は自分で守る”意識を持つことが大切。楽しむことと、備えることは決して矛盾しません。
🟩 信頼できるツアー会社の選び方
アクティビティを安全に楽しむには、信頼できるツアー会社を選ぶことが最重要ポイントです。選ぶときのチェック項目はこちら:
- 現地での営業許可を持っているか
- 日本語または英語でのサポートがあるか
- 装備の点検状況・衛生状態をしっかり説明してくれるか
- 過去のレビューや口コミに不自然な点がないか
- 保険が付帯しているか
価格だけで選ばず、安全性に対する姿勢が見える会社を選ぶことが、トラブルを未然に防ぎます。
🟩 旅行保険と緊急連絡体制の準備を忘れずに
最後に大切なのが、旅行保険の加入と緊急時の備えです。特に、以下の内容が含まれている保険を選ぶと安心です:
- アクティビティ中の事故補償
- 救急搬送・医療費のカバー
- 遺族への補償(最悪のケースに備えて)
さらに、緊急連絡先リストを紙とスマホの両方で持っておく、現地で頼れる医療機関をリストアップしておくなど、“いざという時”の行動計画も用意しておくと安心です。
バリ島の美しさと興奮は、正しい備えがあってこそ心から楽しめるもの。
安全に、そして思い出に残る旅を楽しむために、今回の事故を自分ごととして捉えてみてくださいね。

このたび、バリ島で発生したパラグライダー事故により尊い命を落とされた
ソジン・ハン様、ファン・ジナ様のご冥福を、心よりお祈り申し上げます。
突然の悲報に接し、ご家族の皆様、ご友人、そして関係者の方々の深い悲しみはいかばかりかとお察し申し上げます。
心よりお悔やみを申し上げるとともに、お二人の魂が安らかに旅立たれることをお祈りいたします。
平穏な空のもとで、お二人が再び手を取り合い、穏やかな時を過ごされますように──
心からの哀悼と祈りを込めて。
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