【ウブドで芸術三昧】プリルキサン美術館の楽しみ方！絶対に見逃せない見どころ＆効率的な周回ガイド

バリ島の文化的中心地、ウブド。その喧騒から一歩足を踏み入れると、そこは緑豊かな庭園に囲まれた静かな芸術の世界でした。ウブド最古の美術館「プリルキサン美術館」は、バリ絵画の歴史を体系的に学び、その美しさにじっくりと浸ることができるオアシスです。この記事では、美術館の見どころから効率的な回り方、知っておくと得する周辺スポット情報まで、たっぷりとご紹介します。

1. プリルキサン美術館とは？その歴史と魅力

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バリ島・ウブドの中心地、王宮からほど近い静かな路地を一歩入ると、そこは都会の喧騒が嘘のように消え、緑の木立と芸術の調和した空間が広がっています。ここが、バリ絵画の真髄に触れられる場所として知られるプリルキサン美術館（Puri Lukisan Museum）です。「Puri」は宮殿、「Lukisan」は絵画を意味し、その名の通り「絵画の宮殿」とも称されるにふさわしい、由緒と魅力あふれる美術館です。

1-1. ウブド王族と西洋人画家が築いた芸術の殿堂

プリルキサン美術館は単なる美術館ではなく、バリ芸術を愛した人々の情熱が結実した結晶です。その設立には、ウブド王族のココルデ・グデ・スカワティ（Tjokorde Gde Sukawati）と、オランダ人画家でバリ芸術の擁護者であったルドルフ・ボネ（Rudolf Bonnet）の存在が大きく関わっています。

1930年代、西洋文化の影響が強まる中、バリの伝統的な芸術が失われる危機を感じた二人は、地元アーティストの作品を保護し、創作活動を支援する場の必要性を強く訴えました。彼らの尽力により、ようやく1956年に美術館は開館。ウブドで最初の本格的な絵画美術館として、その歴史の幕を開けました。

この美術館の意義は、単に作品を「展示する」だけではありません。ボネや、同じくバリに居を構えたドイツ人画家ウォルター・シュピースらの指導により、それまで主に寺院装飾や儀式のためのものであったバリ絵画が、独立した「芸術作品」としての地位を確立するための礎となったのです。館内に展示される数々の作品は、バリの豊かな精神世界と、それを新たな表現で描き出そうとした画家たちの挑戦の歴史を、今日に静かに伝えています。

1-2. 自然とアートが融合した静謐な空間

プリルキサン美術館の魅力は、何も展示作品だけに留まりません。この美術館の最大の特徴は、バリの自然そのものが施設の一部となっていることです。

広い敷地は美しいバリ式庭園として整えられ、蓮の花が咲く池や、伝統的な石彫り、そよぐヤシの木々が訪れる人を出迎えます。展示ギャラリーはこの庭園の中に点在しており、屋根付きの風通しの良い回廊で結ばれています。つまり、作品を鑑賞しながら館内を移動するうちに、自然とバリの穏やかな空気、木漏れ日やさわやかな風を感じることができるのです。

「美術館」と聞くと、閉ざされた静かな室内を想像しがちですが、ここでは開放的な中にも静寂が保たれており、のんびりと散歩をするような感覚で、心落ち着くアート体験を楽しむことができます。作品と自然、そして自分自身との対話を促す、他にはない独特の雰囲気。それがプリルキサン美術館が長く愛され続ける理由なのです。

2. 【これが必見！】4つの展示館の見どころ徹底解説

プリルキサン美術館の見どころは、何と言っても時代順に体系化された4つの展示館です。それぞれの館を巡ることで、バリ絵画がどのように発展し、現代まで受け継がれてきたのか、その流れを一目で理解できるのが最大の魅力。バリアートの通史を学ぶことができる、他では得がたい体験ができます。順を追って、その見どころを詳しく解説していきましょう。

【第1展示館】バリ絵画の原点「カマサン様式」を読む

第1展示館は、バリ絵画の原点的なスタイルである「カマサン様式」 の作品が集められたエリアです。ここを見学すれば、バリ絵画のルーツを深く理解することができます。

カマサン様式は、バリ島東部の村・カマサンで発展した、バリ最古の絵画様式。その最大の特徴は、インドの叙事詩「ラーマーヤナ」や「マハーバーラタ」といったヒンドゥー教の物語を題材としている点です。様式としては、平面的で遠近法がなく、人物の大小で身分の高低を表し、雲や木々などの自然物は様式化されたパターンで描かれます。まるで絵巻物を見ているかのように、物語の一場面が細密に描写されているのが印象的です。

色使いは、当時は天然顔料が使われており、赤・青・黄・茶・白など限られた色合いが中心。これらの作品は本来、王宮や寺院を飾るためのものでした。影絵芝居（ワヤン）の影響を強く受けたこの様式を見ることで、バリ絵画が宗教や儀礼と深く結びついていたことを実感できるはずです。

【第2展示館】西洋の影響とモダンアートの萌芽

第2展示館では、1930年代前後に起こったバリ絵画の大きな変革期に焦点が当てられています。ここが、プリルキサン美術館のコアとも言える最も見応えのあるセクションの一つです。

この時代、ウブドやサヌールを訪れた西洋人画家（ルドルフ・ボネ、ウォルター・シュピースなど） の影響により、バリ絵画は劇的な進化を遂げます。彼らは地元の画家たちに、遠近法、陰影法、解剖学に基づいた人物描写といった西洋の技術を伝えました。

その結果、絵画の題材は宗教的な物語から農民の日常生活、市場の様子、美しい田園風景、女性のヌードなど、現実世界の描写へと大きく広がりました。しかし、単なる西洋の模倣ではなく、バリの豊かな色彩感覚や精神性は失われることなく、「バリの主題を西洋の技法で描く」という新しいバリ・モダンアート（ウブド様式） が誕生したのです。この展示館では、そんな過渡期の息吹を感じられる力強い作品の数々に出会えます。

【第3展示館】現代に息づくバリアートの現在地

第3展示館は、現代のバリ人アーティストたちの多様で自由な表現に触れることができる空間です。ここでは、伝統を受け継ぎながらも、それに縛られることなく、個々の作家の独創性が光る作品が展示されています。

絵画だけでなく、彫刻や混合メディアを使ったインスタレーションアートなど、表現方法も多岐に渡ります。テーマもさらに広がり、社会風刺や現代的な問題、個人的な内面の表現など、より国際的で現代的な視点を持った作品が並びます。

「バリ絵画」というひとつの括りでは収まらない、個性豊かな作家たちの「現在地」を知ることができるのがこの館の面白さ。伝統から現代へと至るバリアートの旅の終着点として、その息づく生命力と可能性を感じ取ってください。

【第4展示館】時期限定の特別展は要チェック！

第4展示館は、期間限定で開催される特別展や企画展を楽しむためのスペースです。その時々で内容が変わるため、リピーターでも新たな発見がある、いつも新鮮な場所です。

ここでは、特定の作家にスポットを当てた回顧展や、新進気鋭のアーティストを紹介する展覧会、バリの祭事をテーマにした展示など、多様な企画が行われています。公式サイトやSNSで最新の展覧会情報をチェックして訪れると、より深く、タイムリーなアート体験ができるでしょう。あなたの訪問時期だけの、特別な出会いが待っているかもしれません。

3. ベストシーズンはいつ？季節別の楽しみ方

プリルキサン美術館は一年中楽しめる施設ですが、季節によってその表情と楽しみ方は少しずつ異なります。ご自身の旅行のスタイルに合わせて、最適な時期を選ぶ参考にしてください。

乾季（5月～10月）：過ごしやすく、観光に最適なベストシーズン

気候の特徴：
降雨量が少なく、湿度も低く、からっとした晴天の日が続きます。日中は日差しが強いものの、ウブドは内陸部の高台にあるため、朝夕は非常に過ごしやすく、美術館巡りに最高のコンディションです。

楽しみ方：

のんびり庭園散策: 屋外の通路や庭園が多いプリルキサン美術館の特徴を存分に活かせる季節です。灼熱の太陽が降り注ぐ時間帯を避け、午前中や夕方に訪れると、緑豊かな庭園を心地よい風と共に楽しめます。
光と影を楽しむ写真撮影: 乾季のくっきりとした陽光は、建物や彫刻、木々の葉に美しい影を作り出します。写真愛好家にとっては、最高の被写体を求めて歩き回るのに最適な時期です。
混雑対策は午前中がおすすめ: 観光シーズンでもあるため、比較的観光客が多い時期です。ゆったりと静かに鑑賞したい方は、開館直後の午前中（9時～11時頃） の訪問が混雑を避けられておすすめです。

雨季（11月～4月）：静寂の中に佇む、緑鮮やかな別世界

気候の特徴：
スコールと呼ばれる驟雨が降る日が多くなりますが、一日中雨が降り続くわけではなく、雨が止むとまた青空が広がります。雨で洗われた草木の緑は一段と鮮やかになり、湿度が高く、しっとりとした空気に包まれます。

楽しみ方：

静かな鑑賞タイム: 観光客が少なくなるため、誰にも邪魔されず、作品と静かに向き合いたい方には絶好のチャンスです。雨音だけが聞こえる館内は、より一層の静寂と落ち着きに満ちています。
雨に濡れる庭園の美しさ: スコールの合間や、小雨が降る中の散策は、雨季ならではの体験。雨に濡れて輝く蓮の葉や石畳、滴る緑が、普段とは違う美術館の幻想的な美しさを演出します。
雨宿りがてらの立ち寄り: ウブド散策中に突然のスコールに遭ったら、絶好の雨宿りスポットとしても活用できます。カフェで温かいバリコーヒーを飲みながら、雨宿りがてらアートに浸れば、旅の良い思い出になること間違いなしです。

特別展やイベントに合わせるのも一つの手

季節に関わらず、美術館を訪れるベストなタイミングは、お目当ての特別展やイベントが開催されている時期です。

乾季（7月～8月）: 観光シーズンのピークであり、大規模な特別展や著名アーティストの個展が開催されることが多いです。アートの最新動向に触れたい方にはおすすめです。
雨季: 比較的閑散期となるため、アーティストトークや小規模でアットホームなワークショップなど、深く掘り下げたイベントが行われる可能性があります。

結論として、

快適な気候の中、存分に楽しみたい方 → 乾季（特に6月 or 9月）
混雑を避け、静寂の中でのんびりと芸術と向き合いたい方 → 雨季

どちらの季節にも違った良さがあります。訪問前には、天気予報と合わせて美術館の公式サイトでイベント情報をチェックするのが、ベストな旅の計画を立てるコツです。

4. 失敗しない！プリルキサン美術館への行き方（タクシー＆チャーター相場目安）

プリルキサン美術館はウブドの中心部に位置するため、主要エリアからのアクセスは比較的良好です。しかし、バリ島の交通事情やウブドのローカルルールを知らないと、思わぬトラブルや高額請求に遭う可能性もあります。ここでは、最も一般的な移動手段である「タクシー」と「カーチャーター」の2つに焦点を当て、失敗しない賢い利用方法をご紹介します。

タクシーを利用する場合

タクシーは単身やカップルで手軽に移動したい方におすすめの手段です。ただし、いくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。

プリルキサン美術館へのアクセス：主要エリア別所要時間・料金目安

出発地	所要時間	料金目安（インドネシアルピア：IDR）	料金目安（日本円：円）	備考
クタ / セミニアック	約1時間～ 1時間30分	350,000 ～ 450,000 IDR	約3,500 ～ 4,500円	渋滞の影響を受けやすいエリアです。
サヌール	約45分～ 1時間	250,000 ～ 350,000 IDR	約2,500 ～ 3,500円	比較的スムーズな場合が多いです。
デンパサール空港 (DPS)	約1時間～ 1時間15分	300,000 ～ 400,000 IDR	約3,000 ～ 4,000円	飛行機の時間に合わせる場合は余裕を持ちましょう。

※ご注意事項（重要）

この料金は交渉制の相場です: メーターは基本的に使用されません。最初の提示額は相場より高めのことが多いので、必ず値引き交渉をしてください。
渋滞に大きく影響されます: 特に夕方のラッシュアワーや週末は、所要時間が大幅に延びる可能性があります。時間には余裕を持った計画を心がけましょう。
帰りの手段の確保: 美術館前で流しのタクシーをつかまえるのは困難です。帰りもタクシーを利用する場合は、行きのドライバーに待っていてもらうよう往復で交渉するか、美術館のスタッフに呼んでもらうようにすると安心です。

利用の注意点と賢い乗り方:
1. メータータクシーは基本使えない: ウブドエリアでは、Blue Birdグループなどのメータータクシーでさえ、メーターを使用しないことがほとんどです。ほぼ全てのドライバーが「交渉制」を想定しています。最初に提示された金額は相場より高めに設定されていることが多いので、必ず値切り交渉をしましょう。
2. アプリタクシー（Grab/Gojek）の利用制限に注意: GrabやGojekのような配車アプリは、ウブドの中心部（特に王宮周辺）ではローカルタクシー組合とのトラブルを避けるため、ピックアップが制限されているエリアがあります。アプリで呼べたとしても、ドライバーから「少し離れた場所まで来てほしい」と連絡が入る場合がほとんどです。便利ですが、若干の手間と歩きが必要になることを覚悟しておきましょう。
3. 帰りのタクシー確保が難しい: 美術館前で流しのタクシーをすぐに見つけるのは困難です。帰りの移動手段を確保するには、以下の方法が有効です。
  - 往復交渉: 行きのタクバーを利用する際に、「◯時間後に迎えに来てほしい」と往復料金で交渉する。待機時間を含めた料金を事前に確定させておきましょう。
  - ホテル呼び出し: 美術館の受付やカフェスタッフに、信頼できるタクシー会社を呼んでもらうよう頼む。

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カーチャーター（運転手付きレンタカー）を利用する場合

家族連れやグループ、またはウブド周辺を効率よく巡りたい方には、断然カーチャーターがおすすめです。

料金の目安:
- 日本語が通じないローカルのドライバーさんの場合、相場は 4時間で約 500,000 IDR～、8時間で約 700,000 IDR～ が相場です（ガソリン、ドライバー手当込み）。日本語が堪能なドライバーさんはもう少し高めになります。
- 料金は「時間制」であることがほとんどです。エリアによる追加料金は基本的にありません。
カーチャーターの圧倒的なメリット:
1. ストレスフリー: 駐車場や渋滞の心配は全てドライバーがしてくれます。観光に集中できるのが最大の利点です。
2. 自由度の高さ: 「美術館を見学した後、おすすめのレストランに行きたい」「次の寺院まで送ってほしい」など、自分の好きなように旅程を組むことができます。ドライバーが現地の情報を教えてくれることも。
3. 確実な送迎: どんなに離れた場所でも、約束の時間に確実に迎えに来てくれるので、帰りの移動手段に頭を悩ませる必要がありません。
予約方法:
- 現地旅行会社: ホテルのコンシェルジュや街中の旅行会社で手配可能。英語での交渉が必要な場合が多い。
- オンライン予約: 日本にいながら、日本語で予約できるサービス（KLOOKやVELTRAなど）が非常に便利。金額が明確で、日本語を話せるドライバーを手配できる場合もあります。

Ricky

おいらは、旅のアクティビティ予約やチケット手配には、いつも「Klook（クルック）」を使ってるよ。

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アドバイス：

手軽に単発移動したい方 → タクシー（値切り交渉と帰りの手段の確保を忘れずに！）
複数人で効率的に周りたい方 → カーチャーター（事前のオンライン予約が安心）

ご自身の旅行スタイルに合った最適な方法で、快適なアートの旅をお楽しみください。

5. 美術館観光の所要時間とおすすめモデルコース

プリルキサン美術館を存分に楽しむために、どのくらいの時間を確保すればよいのか、そして周辺スポットとどう組み合わせれば効率的なのか、気になるところです。ここでは、旅のスタイル別にぴったりのモデルコースをご紹介します。

プリルキサン美術館単体の所要時間目安

サクッと主要作品を見るなら：約60分～90分
- 4つの展示館のうち、特に見たいテーマ（例：第1・第2展示館）に絞って効率的に巡るコースです。時間が限られている方や、美術館はあまり得意ではないが、せっかくなので代表作品を見ておきたいという方におすすめです。
じっくり全てを鑑賞するなら：約2時間～3時間
- 4つの展示館をひと通り鑑賞し、美しい庭園の散策やカフェでの休憩も含めた、スタンダードなコースです。バリ絵画の歴史の流れを理解し、作品をしっかりと味わいたい方に最適です。ゆとりを持って計画するなら、3時間を見込んでおくと安心です。
ワークショップに参加するなら：＋約2時間
- 絵画やガムランなどの文化体験ワークショップに参加する場合は、それに必要な時間を別途加算してください。鑑賞と体験の両方を楽しむなら、半日（4～5時間） は確保したいところです。

6. 鑑賞の合間にひと息。館内カフェと美しい庭園

プリルキサン美術館の魅力は、何も展示室の中だけに留まりません。緑豊かな庭園に囲まれた館内には、芸術鑑賞の合間にほっと一息つける素敵なスポットが点在しています。アートを堪能した後は、ここでしか味わえない静かで優雅な時間をお過ごしください。

館内カフェ：芸術の余韻に浸る憩いの空間

美術館の敷地内には、木漏れ日が差し込む開放的なカフェが併設されています。ここは単なる飲食店ではなく、鑑賞後の感動をゆっくりと消化し、思い出に刻むための「憩いの場」と言えるでしょう。

おすすめメニュー：
- バリコーヒー：島の風味を存分に感じられる一杯は、ここで味わうのにぴったり。
- フレッシュジュース：バリ島のトロピカルフルーツを使ったジュースで、暑さで疲れた体を癒してくれます。
- 軽食・スイーツ：バナナケーキや軽いサンドイッチなど、小腹を満たすメニューが揃っています。
雰囲気：
カフェは庭園を見渡せるテラス席や、伝統的なバリ様式の建物内に設けられています。ひんやりとした風が通り抜け、鳥のさえずりしか聞こえないような静けさの中、ゆったりと時間を過ごすことができます。展示で得たインスピレーションをノートに書き留める人、ただぼんやりと景色を眺める人、それぞれの方法でくつろぐ人々の姿が見られます。
料金目安：
ドリンク類は30,000ルピア（約300円）～、軽食は50,000ルピア（約500円）～と、観光地としては比較的リーズナブルな価格帯です。

美しい庭園：自然自体がアートの一部

プリルキサン美術館は「庭園美術館」とも呼ぶべき場所です。館内を移動する通路はすべて屋外にあり、手入れの行き届いた伝統的なバリ式庭園を散策しながら次の展示館へと向かいます。

庭園の見どころ：
- 蓮の池：澄んだ水に咲く蓮の花と、そこに映る空や雲の風景は、それ自体が一幅の絵のようです。
- 緑の木立と小道：南国の植物が生い茂り、彫刻がさりげなく配置された小道は、散策するだけで心が落ち着きます。
- 彫刻の数々：所々に設置された石彫の彫刻も見逃せません。これらもまた、美術館のコレクションの一部なのです。
楽しみ方：
ベンチに腰かけてゆっくりするもよし、写真を撮りながら散歩するもよし。特に雨上がりの後は、植物の緑がより一層鮮やかに輝き、ひんやりと潤った空気がとても清々しいです。ここでは「移動」ですら、非日常的なリラックスの時間に早変わりします。

＜カフェと庭園を楽しむちょっとしたコツ＞

日差しが強い日は、日陰になるテラス席がおすすめです。
カフェでお茶をする時間がなくても、庭園のベンチに座って休むだけでも十分にくつろげます。
インスタグラムなどに投稿したい美しい写真は、庭園でこそ見つかるかもしれません。蓮の池や緑のトンネルは絶好の撮影スポットです。

美術館とはいえ、急いで回る必要はまったくありません。カフェと庭園という二つの憩いの空間を利用して、バリのんびりタイムを存分に楽しんでください。

7. より深く楽しむ！文化体験ワークショップのススメ

プリルキサン美術館の楽しみ方は、鑑賞するだけではありません。ここでしかできない貴重な体験が、バリの伝統芸術を実際に自分で作り、体感するワークショップです。作品を見て終わるのではなく、自らの手を動かすことで、バリの文化や芸術に対する理解が何倍にも深まります。

バリ絵画ワークショップ

最も人気が高く、気軽に挑戦できるのがバリ伝統絵画のワークショップです。現地のアーティストが先生となり、英語で丁寧に指導してくれます。

内容: 先生が下絵を用意してくれるので、それに沿って伝統的な模様やバリのモチーフ（鳥、花など） を描いていきます。絵の具の塗り方や筆の使い方など、基本的な技術を学べます。
所要時間: 約 2時間
料金目安: 約 150,000 ～ 200,000 IDR (約1,500～2,000円)
おすすめポイント:
- 未経験者でも安心: 絵心がなくても全く問題ありません。先生が優しく教えてくれるので、最後には誰でも満足のいく作品が仕上がります。
- 世界に一つのお土産: 完成した作品はそのまま持ち帰ることができます。買ったお土産とは一味も二味も違う、旅の大切な思い出になります。
- アーティストとの交流: プロのアーティストと直接話せる貴重な機会。バリのアートに対する想いなどを聞けるかもしれません。

その他の文化体験プログラム

時期や予約状況によっては、絵画以外の伝統文化を体験できるワークショップが開催されることもあります。

バリ舞踊体験: 先生について簡単な基本動作や手の動き（ムドラ）を学びます。美しい衣装を着られる場合も。
ガムラン体験: バリの伝打楽器であるガムランの演奏を体験します。簡単なリズムをみんなで合わせて演奏するのはとても楽しいものです。
オサロ（供物）作り: バリヒンズーの日常生活に欠かせない、椰子の葉を使ったお供え物の作り方を学びます。

ワークショップ参加の心得と予約方法

＜参加前に知っておきたいこと＞

予約は必須: ワークショップは常時開催されているわけではなく、参加希望者が集まらないと催行されない場合もあります。できるだけ事前に予約することを強くおすすめします。
言語: 指導は基本的に英語で行われます。しかし、実演が中心なので、言語が堪能でなくても楽しむことは十分可能です。
服装: 絵画のワークショップでは絵の具が服についてしまう可能性があります。汚れても気にならない服装で参加しましょう。

＜予約方法＞

直接問い合わせ: 美術館に到着後、受付でその日のワークショップの有無と空き状況を確認する。
事前予約: 確実に参加したい場合は、公式サイト（ある場合）やSNSで情報を確認するか、ホテルのコンシェルジュを通じて前日までに予約の問い合わせをすると安心です。

「見る」から「作る」「体験する」へ。ワークショップへの参加は、バリ旅行の思い出をより深く、特別なものにしてくれること間違いありません。ほんの少し勇気を出して挑戦してみてください。

8. 訪れる前に要チェック！観光の注意点3つ

プリルキサン美術館は静かで穏やかな空間です。すべての来館者がその雰囲気を壊すことなく芸術に没頭できるよう、基本的なマナーが守られています。快適に過ごすために、訪れる前に以下の3つのポイントを必ずチェックしておきましょう。

1. 静かな鑑賞マナーを守ろう

「絵画の宮殿」にふさわしい、静寂な環境が最大の魅力です。

会話は控えめに: 展示室内では、他の鑑賞者の邪魔にならないよう、声のトーンを低くし、必要な会話は最小限に抑えましょう。展示物について話し合うのも楽しいですが、ひそひそ話でも館内では響きます。
携帯電話のマナー: 展示室での通話は厳禁です。着信音やアラーム音は必ずマナーモードに切り替えておきましょう。SNSのチェックやメールも、他の人の迷惑にならないよう十分配慮してください。
お子様のご同伴の場合: お子様連れの場合は、走り回ったり展示物に触ろうとしたりしないよう、特にご注意ください。静かな環境を好まないお子様の場合は、短時間の鑑賞にするか、美しい庭園で過ごす時間を多めに取るなどの配慮がおすすめです。

2. 展示作品の撮影ルールを確認しよう

すべての作品がフラッシュ撮影可能とは限りません。

必ず確認のサインを: 写真撮影をする前に、そのエリアや作品の近くに「No Photography」または「撮影禁止」の表示がないか必ず確認してください。特別展や借り出されている作品は、著作権などの関係で撮影が禁止されている場合がよくあります。
フラッシュ、三脚、自撮り棒の使用禁止: フラッシュ撮影は、作品の褪色を促進するため、ほぼ全ての場合で禁止されています。 三脚や自撮り棒の使用も、他の来館者の邪魔になるため、通常は許可されていません。
SNSへの投稿について: 撮影可能な作品であっても、SNSに投稿する際は美術館の名前（プリルキサン美術館）や作家名を明記するなど、敬意を払うように心がけましょう。

3. 天候と服装への備えを万全に

屋内施設ですが、移動はすべて屋外です。バリの気候に合わせた準備が必須です。

履き物選びの重要性: 敷地内は石畳や砂利道などがあります。また、展示館を回るにはかなり歩きます。歩きやすく脱ぎ履きしやすいサンダルやスニーカーが最適です。

突然のスコールに備えて: バリは雨季（11月～3月）でなくても、突然のスコールに見舞われることがあります。館内の移動は屋外の通路のため、折り畳み傘や軽いレインコートを持っていると非常に便利です。

強い日差しと湿度対策: 乾季（4月～10月）は日差しが非常に強く、湿度も高めです。日焼け止め、帽子、サングラスは必需品です。また、館内に冷房はほとんどないため、汗をかいても快適な通気性の良い服装がおすすめです。

9. あわせて訪れたい！周辺おすすめ観光スポット5選

プリルキサン美術館はウブドの中心地に位置するため、周辺には見所がぎゅっと凝縮されています。美術館でバリ芸術の知識を深めた後は、徒歩圏内のこれらのスポットを訪れ、さらにウブドの魅力を堪能しましょう。効率的に巡れるよう、距離とアクセスも明記しました。

1. ウブド王宮 (Ubud Palace) – 徒歩約3分

美術館から最も近く、絶対に外せないスポットです。
16世紀に建てられたウブド王朝の宮殿で、現在も王族が居住している現役の宮殿です。見どころは精緻を極めたバリ伝統建築の石彫りや門。昼間は無料で中庭まで見学できます。最大の魅力は夕方から行われる伝統バリ舞踊の公演。美術館で絵画として見た神話や物語が、ここでは生き生きとした舞踊として目の前で繰り広げられます。ぜひセットで楽しみたいです。

「ウブド王宮の入場料は、いくらかかるんだろう？」「事前にダンスの予約は必要？」「どんな服装で行けばいいの？」バリ島・ウブド観光のハイライトであるウブド王宮（Puri Saren Ubud）を訪れる前に、こんな疑問や不安をお持ちではありません...

2. ウブド市場 (Ubud Art Market) – 徒歩約5分

王宮の真正面にある、活気あふれるローカルマーケット。
バティックやサロン、バッグ、アクセサリー、お香など、バリらしい雑貨が所狭しと並びます。値段は最初から高めに設定されているので、とにかく値引き交渉が必須です。3割引から5割引を目標に、笑顔で交渉してみましょう。美術館で養った審美眼で、一味違うお土産を探してみるのも楽しいです。朝方が最も活気があります。

3. サラスワティ寺院 (Pura Taman Saraswati) – 徒歩約4分

「芸術と学問の女神」を祀る、ウブドで最も写真映えする寺院。
美術館から王宮へ向かう途中にあります。見どころは蓮の池に浮かぶように続く参道と水上に建つ神々しい祠堂。特に蓮の花が咲く時期や、夕方のライトアップ時は幻想的な雰囲気に包まれます。池の横にあるカフェでくつろぎながら景色を眺めるのもおすすめ。無料で入場できますが、寺院内に入る場合はサロンの着用が必要です。

4. ネカ美術館 (Neka Art Museum) – 車で約10分

プリルキサンとはまた違った角度からバリ美術を学べる殿堂。
プリルキサン美術館が「バリ絵画の歴史」に焦点を当てているのに対し、ネカ美術館は外国人画家の作品や、現代アーティストの大規模なコレクションが特徴です。特に有名なのは、ベルギー人画家・ル・マイヨールの作品を展示した専用パビリオン。ウブドの緑豊かな環境の中にあり、こちらの庭園もとても美しいです。より深くアートに浸りたい方には、両館の訪問が強くおすすめです。

5. アルマ美術館 (ARMA Museum) – 車で約10分

アート、文化、教育が融合した複合文化施設。
Agung Rai Museum of Art (ARMA) は、広大な敷地に美術館、ホテル、レストラン、図書館を備えています。コレクションは伝統的なカマサン様式から現代アートまで多岐にわたり、ガムランや舞踊、絵画のワークショップも非常に充実しています。のんびりと一日中過ごせる環境が整っており、ゆったりと文化体験をしたい方にぴったりです。

10. 基本情報（住所、営業時間、入場料、マップ）

プリルキサン美術館の計画を立てる際に必要な基本情報をまとめました。訪問前の最終確認にご利用ください。

基本情報

項目	情報
正式名称	Puri Lukisan Museum (プリルキサン美術館)
住所	Jl. Raya Ubud No.1, Ubud, Kecamatan Ubud, Kabupaten Gianyar, Bali 80571 インドネシア
電話番号	+62 361 971159
公式サイト	https://puri-lukisan.com/
定休日	なし (毎日営業) ※ バリの暦で静寂の日とされるニュピは休業
営業時間	09:00 – 18:00 (最終入場 17:30)

入場料金 (2024年現在)

区分	料金 (インドネシアルピア)	料金 (日本円の目安)	特典
大人	125,000 IDR	約1,250円	ワンドリンク付き (館内カフェで利用可能)
学生	85,000 IDR	約850円	学生証の提示が必要
子供 (7-12歳)	65,000 IDR	約650円
子供 (6歳以下)	無料