観光天国バリ島にも“困った観光客”が増加中
〜オーバーツーリズムとトラブルの増加〜
「バリ島って楽園じゃなかったの?」
「なんで最近、観光客が嫌われてるの?」
そんな疑問を持ったあなた。実は今、バリ島では“観光客によるトラブル”があちこちで起きているんです。
数年前までは“バリ=癒しの島”というイメージが強くて、観光客も比較的マナーを守る人が多かった印象。でも最近は、海外からの観光客がどっと押し寄せて、その分マナーの悪い人たちの行動も目立つように。中には現地の人たちとのトラブルになって、ニュースになるケースもあるほどです。
「えっ、私たち日本人も嫌われてるの…?」
なんて不安に思った方、ご安心ください。
礼儀正しい日本人は、バリではまだまだ“好印象の観光客”です(今のところは…笑)
とはいえ、同じ日本人でも一人の行動が全体の印象をガラッと変えてしまうのが現実。この記事では、現地の人たちが「正直ちょっと困ってる…」と感じている観光客の傾向や理由を、リアルな声とともにご紹介していきます。
「行ってから後悔したくない」
「現地で嫌われたくない」
そんなあなたに、“バリをもっと楽しむためのヒント”として、ぜひ読んでみてほしい内容です!
2024年、バリ島は国際観光客数で過去最高を記録し、パンデミック前の水準を上回る6,333,360人の訪問者を迎えました。
🌏 2024年 バリ島の国別観光客数ランキング(1月〜12月累計)
順位 | 国名 | 観光客数(推定) | シェア(%) |
---|---|---|---|
1 | オーストラリア | 約1,500,000人 | 約24% |
2 | インド | 約323,598人 | 約5.1% |
3 | 中国 | 約270,363人 | 約4.3% |
4 | フランス | 約139,417人 | 約2.2% |
5 | 韓国 | 約157,360人 | 約2.5% |
6 | イギリス | 約168,003人 | 約2.7% |
7 | アメリカ | 約155,070人 | 約2.4% |
8 | マレーシア | 約136,514人 | 約2.2% |
9 | オランダ | 約19,450人 | 約0.3% |
10 | ニュージーランド | 約19,198人 | 約0.3% |
1. 欧米人:自由すぎる行動がトラブルのもとに
観光客の中でも特に目立ってしまうのが、欧米から来ている旅行者たち。もちろん、すべての欧米人が悪いわけではありません。でも、実際に現地では「また欧米人か…」とため息をつかれてしまうようなトラブルが多発しています。
交通ルール無視・公共マナー違反
たとえば、ノーヘルでバイクに乗るのは当たり前、警察に止められても逆ギレしたり、中指を立てたりと、ちょっと信じられない態度を取る人もいるんです。
「バリは自由な島だし、ルールなんて気にしない!」という感覚なのかもしれませんが、現地の人からすれば完全に“ルール違反の外国人”。
また、ビーチやカフェなどの公共の場での騒ぎすぎ・酔っ払い問題もよく聞きます。ちょっと羽目を外しすぎなんですよね…。
神聖な寺院での問題行動
さらに問題なのが、神聖な場所での非常識な行動。
肌を露出した服装で寺院に入ったり、聖水を手でバシャバシャやったり、祭壇に乗って写真を撮ったり…。バリはヒンドゥー教の文化が根付いている島なので、宗教的な無礼は特に重く見られます。
現地の人からすれば、信仰の対象を侮辱された気分になるのも無理はありません。
警察沙汰・強制送還の事例も
最近では、ヌサドゥアのクリニックでアメリカ人観光客が大暴れして警察沙汰になった事件もありました。現地スタッフの女性が泣いてしまうほどの騒動で、結局その観光客は強制送還に。インドネシアのSNSでは「刑務所に入れるべきだ!」と怒りの声があふれていました。
こうした一部の人たちのせいで、まじめな欧米人観光客まで冷たい目で見られてしまうのが残念なところです。
2. インド人:時間にルーズ&ルールを無視?
ここ数年、バリ島の現地ガイドやツアー運営者のあいだで「一番困るのはインド人観光客かも…」なんて声がちらほら。文化の違いも大きいですが、実際に現場ではさまざまなトラブルが起きています。
時間厳守が難しい文化的背景
まず一番多く聞くのが、とにかく時間にルーズという話。
「15時集合ね!」と言っても、当たり前のように30分〜1時間遅刻してくることも…。日本人なら5分前には集合場所に来るのが普通なので、そのギャップにびっくりするガイドさんも多いようです。
これは文化的な違いもあるので、単純に責めることはできない部分もありますが、時間厳守が前提のツアーやアクティビティでは、他の参加者に迷惑がかかってしまうこともあります。
支払いトラブルやガイド泣かせの実態
さらに困るのが、お金の支払いをめぐるトラブル。事前に「このチケット代が別でかかりますよ」と3回も説明して「OK!」と返事をもらっていたのに、いざ現地に行ったら「そんな話聞いてない」とゴネる…なんてケースも。
スタッフさんも事前に何度も確認してるだけに、「えっ…あんなに言ったのに…」と頭を抱えることもしばしば。特にプライベートチャーターや高額アクティビティでは神経を使うようです。
混載ツアーでの迷惑行為
個人でのツアーならまだしも、他のお客さんと一緒の“混載ツアー”になると影響はさらに深刻です。
たとえば、朝出発のツアーに遅刻された場合、他のゲストがずっとバスの中で待たされることになります。現地のツアー会社もなるべく円滑に回そうとしているだけに、「なんであの人たちのせいで私たちまで…」という不満が出るのも当然。
もちろんすべてのインド人旅行者がそうではありません。でも、“マナーを守らないグループ”の印象が強く残ってしまうのが現実です。
3. 中国人:過去の“団体ツアー型”のイメージが尾を引く
バリ島でも一時期、“ちょっと困った観光客”として名前が挙がることが多かったのが中国人観光客。特に2010年代前半ごろまでにバリに来た人たちは、「大声で話す」「団体で好き勝手に行動する」といった印象を持っているかもしれません。
でも実は、ここ数年でその印象は大きく変わりつつあるんです。
バリにお金を落とさないと言われた背景
以前の中国人観光客は、大型バスで団体行動 → 提携レストランで食事 → 指定ショップで買い物という“完全パッケージ型ツアー”が主流でした。
この形式だと、ツアー会社(多くは中国側の会社)が手配・管理していて、宿泊先も激安ホテル、食事も一律の団体用。**「現地の個人経営のお店には1円も落ちない」**と嘆く声が出るのも無理はありません。
また、団体行動ゆえに列に割り込んだり、大声で話したり、寺院でのマナーが守られていなかったりといったシーンも見られ、ローカルから反感を買うこともありました。
チップ文化で印象は改善傾向?
ただ、ここ最近はちょっと様子が変わってきています。
リピーターや若い世代を中心に、チップを渡す・サービスに感謝を示すなど、マナーを意識した振る舞いが増えてきたんです。ローカルスタッフからも「最近の中国人観光客は、むしろ他の国の人より丁寧な人も多い」といった声も聞こえてきます。
また、レストランやショップでしっかりお金を使ってくれるようになったという話も。これは現地経済にとってもうれしい変化ですね。
個人旅行客の台頭と今の姿
さらに大きいのは、団体ツアー一辺倒から、個人旅行(FIT)へのシフトです。
最近は航空券もホテルもネットで簡単に予約できるようになったので、中国から来る観光客の中にも「自分で調べて、好きなところを巡る」タイプがどんどん増えています。
そうした個人旅行者は、地元のおしゃれカフェや、隠れ家的なヴィラに泊まったりと、“バリの本当の魅力”を楽しもうとしている人が多いのも特徴。以前の団体型とは明らかに違うスタイルです。
もちろん、過去のイメージがゼロになったわけではないですが、“いまの中国人観光客”をちゃんと見ると、ずいぶん印象が変わってきていることに気づかされます。
4. 韓国人:写真命!?マナー軽視の瞬間も…?
バリ島に限らず、アジア各地でよく見かける韓国人観光客。おしゃれで流行に敏感、しかも「SNS映え」には全力投球という印象を持っている人も多いかもしれません。
でもその“こだわり”が、ときにマナー問題と紙一重になることもあるようです。
映えるためならどこまでも!?撮影優先の行動にヒヤリ…
韓国の観光客はとにかく写真に命をかけてるといっても過言じゃないほど。
バリ島の「天空の門」ことレンプヤン寺院では、韓国人観光客の中に1時間以上列に並び、何パターンもポーズを撮る人もいます。
ただ、問題はその「写真に集中しすぎるあまり」、順番を無視したり、他の観光客のカメラに割り込んでしまったりするケースがあること。
また、撮影スポットで長時間場所を独占してしまい、後ろに並ぶ人から不満の声が出ることも。
寺院やビーチでの“やりすぎファッション”も…
もう一つよく聞くのが、寺院など神聖な場所での露出の多い服装。
韓国のファッションはとても洗練されていてスタイリッシュですが、バリの寺院は肌を隠すことがマナーとされています。
現地ではサロン(腰巻き)を着けるルールがありますが、「写真のために脱いでしまう」「ルールを知らずにそのまま入る」なんてことも稀にあって、ローカル側が困る場面も。
一方で…礼儀正しく丁寧な観光客も多い!
とはいえ、すべての韓国人がマナー違反というわけではありません。
むしろ英語が通じるスタッフにきちんと挨拶をしたり、説明をしっかり聞いたりするなど、誠実な対応をする人も多くいます。
最近では韓国国内でも「海外ではTPO(時と場所)を考えよう」という旅行マナーの啓発も増えていて、若い世代を中心に意識の高い人が増えている印象です。
バリ島のような“世界中から観光客が集まる島”では、文化の違いからちょっとしたすれ違いが起こることもあります。でもその多くは「悪意」ではなく、「知らなかった」「夢中になりすぎた」だけのことも。
大事なのは、お互いの文化やルールをちょっとずつ知って、思いやりを持って旅を楽しむことですね。
5. 日本人観光客は大丈夫?実はこんなNG行動も…
「マナーが良い」「礼儀正しい」――日本人観光客って、海外ではそう言われることが多いですよね。
でも実は、バリ島では“えっ、まさか日本人が?”と現地スタッフが驚くNG行動もチラホラ…。
自覚がないまま「やらかしてしまっている」パターン、あなたもあるかも…?
「静か=良い観光客」とは限らない?
日本人は周りに迷惑をかけないように気をつける文化があるので、「静かにしていればOK」と思いがち。でも、これが実は誤解を生んでしまうことも。
たとえばホテルのスタッフやガイドさんに対して、無言で受け取る・リアクションが薄いなどの態度が、「感じ悪い」「不満があるのかな?」と受け取られてしまうことがあるんです。
実はバリでは、笑顔や挨拶・リアクションがコミュニケーションの基本。
「ありがとう」「すごいね!」「バリ最高!」とちょっとオーバーなくらいにリアクションする方が、むしろ喜ばれます。
チップ文化を軽視しがち?
日本人が苦手なものといえば…そう、チップ文化。
「え、払うの?いつ?いくら?どうやって?」と戸惑って、結局渡さずじまい…なんてことも。
実際、バリ島ではホテルのポーターやスパのセラピスト、ガイドなどに気持ち程度のチップ(5,000〜20,000ルピア程度)を渡すのがスマート。
現地の人からは「日本人はチップをくれない人が多い」といった声もあるのが現実…。
渡さない=ケチというより「知らないだけ」なので、知っておくと好印象に繋がりますよ!
意外とトラブルも…?
さらに最近よく聞くのが、バイクの無謀運転や交通ルール違反。
「ちょっとくらいなら大丈夫」とノーヘルで走ったり、駐車禁止の場所に停めたり…。それ、現地では即罰金 or 賄賂交渉のターゲットになります。
また、「スマホ片手に歩いていてスリに遭った」「ビーチで荷物を置きっぱなしにして盗られた」など、日本の感覚で気を抜いてしまって被害者になってしまうケースも…。
現地の人からは「本当に良いお客さん」とも言われる
とはいえ、日本人観光客への印象は総じてポジティブです。
「丁寧で礼儀正しい」「リピーターになってくれる」「口コミや紹介で人を連れてきてくれる」など、長く信頼を築いてくれる存在として、現地の人々からはとても感謝されています。
でもだからこそ、“ちょっとした落とし穴”で評価を下げてしまうのはもったいない!
「知らなかった」では通じないこともある
日本人の“良さ”をそのままに、現地の文化や習慣を少し意識するだけで、もっと快適に・もっと歓迎される旅になります。
「郷に入っては郷に従え」。旅の経験値を上げていくなら、その第一歩は現地を尊重する気持ちからかもしれませんね。
オーバーツーリズムや文化摩擦の裏側にある「じゃあどうすれば?」という解決のヒント
最近よく耳にする「オーバーツーリズム」や「観光客による文化摩擦」。
ニュースでは“迷惑行為”が取り沙汰されるけど、「自分は関係ないし」とスルーしていませんか?
でも実は、旅行者一人ひとりのちょっとした心がけが、バリ島の未来を守る大きな一歩になるんです。
今回は「じゃあ結局、どうすればいいの?」という素朴な疑問にお答えしていきます!
1. 「観光客はお客様」という考えを、そっと置いてみる
バリ島では観光が経済の柱。
でもそれは、「お金を払ってるから何をしてもいい」という意味ではありません。
現地に住んで働いている人がいる場所に、自分たちが“お邪魔させてもらっている”感覚を持つことが、文化摩擦を避ける第一歩です。
ポイントは、「自分が地元民だったらどう感じるか?」という視点。
裸で街を歩いたり、寺院でポーズを決めたり、遅刻を繰り返したり…。
日本でされたらどう思う?って考えると、見えてくるものがありますよね。
2. “調べてから行く”だけで、トラブルの大半は防げる
旅の前にちょっとだけリサーチするだけで、
・どんなマナーが求められてるか
・どこで何をすると失礼になるか
・チップ文化はあるのか
といった基本ルールを把握できます。
特にバリ島のようにヒンドゥー文化が根付いている場所では、宗教的な敬意がとても大切。
「寺院では肌を隠す」「お供え物は踏まない」「儀式中は撮影NG」など、ルールを知っておけば無意識の失礼も防げます。
3. ローカルにお金を落とそう
バリ島では「バリにお金を落とさない観光客問題」が年々深刻に。
大手ホテルチェーンや外資系ツアーばかり利用すると、現地経済に還元されにくいというジレンマがあるんです。
でも、
- 個人経営のワルン(食堂)で食べる
- ローカルのガイドさんを雇う
- 伝統工芸のお土産を買う
こうした選択をするだけで、旅の経済的恩恵がちゃんと現地に届きます。
ちょっとした選択で、旅がもっと“いいもの”になりますよ。
4. 多様性とローカルのバランスを意識する
旅先ではどうしても「自分の文化」が基準になりがち。
でもバリでは、インドネシアの中でもまた独特な価値観や生活スタイルがあります。
たとえば、
- お祈りの時間で突然スタッフがいなくなる
- チェックインや食事の提供が遅い
こうしたことに対して「ダメだ」とジャッジするのではなく、
「そういう文化なんだな」と受け入れる姿勢が大切。
旅は「違いを楽しむ時間」。
そこを意識できると、トラブルもグッと減ります。
5. SNS映えより“思いやり映え”を
映え写真のためにルールを破る――そんな投稿、あなたのタイムラインにも見覚えありませんか?
もちろん、素敵な旅の思い出を残すこと自体は悪くありません。
でもそれが誰かを困らせていたら、旅先での笑顔も色あせてしまいますよね。
「この写真、誰かに迷惑かけてないかな?」
「このポーズ、文化的に失礼じゃないかな?」
そんな一瞬の“思いやり”が、現地の人にとっての安心にもなります。
「旅をする自由」には、「リスペクトする責任」もある
旅の自由は素晴らしいもの。だけどその自由には、現地へのリスペクトという小さな責任もセットでついてきます。
ちょっと意識を変えるだけで、あなたの旅はもっと豊かに、
そして訪れた場所の人たちにとっても「また来てほしい」と思えるようなものになります。
「旅の楽しみ」と「思いやり」は、ちゃんと両立できる。
バリ島という美しい島を、次の世代にも残していくために――
できることから、はじめてみませんか?

最後まで読んでくれてありがとう。
次の記事でお会いしましょう。
またねー。💛
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