バリ島での楽しい休暇が、一瞬で台無しになる可能性があることをご存知ですか?
最近、バリ島当局は外国人観光客の違法行為やマナー違反に対して、以前にも増して厳しい姿勢で臨んでいます。
今回は、実際に強制送還された事例を交えながら、バリ島を安全に楽しむための重要な情報をお伝えします。
1. オーストラリア人女性を襲った強制送還の顛末
この記事と動画に関連はありません。
検問での口論とSNS拡散が招いた結果
2025年3月、バリ島で衝撃的な事件が起こりました。オーストラリア人女性が、ヘルメットを着用せずにオートバイを運転していたところ、警察の検問で停止を求められました。しかし、この女性は自分の違反を認めず、警察官と激しい口論になってしまったのです。
さらに問題となったのは、この口論の様子が動画で撮影され、ソーシャルメディアで拡散されたことです。動画の中で女性は激昂する様子が映し出され、多くの人の目に触れることになりました。
「23年間住んでいる」は免罪符にならない
動画の中で女性は「23年間ここに住んでいる」と叫んでいました。おそらく自分が長期居住者であることを主張し、特別扱いを求めたのでしょう。しかし、この主張は全く通用しませんでした。
バリ島の入国管理局は、この事件を重く見て、女性を国外退去処分とすることを決定。3月31日、女性は強制送還されることになったのです。この決定は、たとえ長期間居住している外国人であっても、現地の法律や規則を遵守する必要性があることを明確に示しています。
- Q「23年間ここに住んでいる」彼女はオーバーステイだったのですか
- A
お答えします。
この女性がオーバーステイ(不法滞在)だったかどうかは、公式には明らかにされていません。記事の情報だけでは、彼女の在留資格の状態は断定できません。
しかし、この発言から推測できる可能性はいくつかあります:
考えられる2つのシナリオ
1. 合法的に居住していた可能性
- 長期滞在ビザを取得していた:投資家ビザ、退職者ビザ、仕事のビザなど、長期滞在が可能なビザを正しく取得していた可能性があります。
- 婚姻ビザ:インドネシア人と結婚している場合、婚姻ビザで合法的に居住している可能性があります。
- 文化や言語に精通している:23年間住んでいれば、インドネシア語が流暢で、現地の習慣にも詳しかったと考えられます。
2. オーバーステイ(不法滞在)だった可能性
- 観光ビザでの長期滞在:観光ビザで入国し、そのまま更新せずに滞在を続けていた可能性があります。
- ビザ期限切れ:何らかのビザは取得していたが、更新を怠り期限切れになっていた可能性があります。
重要なポイント:違反の本質
今回の強制送還の直接的な理由は「ヘルメット不着用」と「警察への反抗的態度」です。
インドネシア当局は、たとえ合法的に在留している外国人でも、現地の法律や規則を遵守せず、特に公務執行中の警察官に対して反抗的な態度を取った場合には、厳しく対処する姿勢を示しています。
つまり、「オーバーステイかどうか」よりも「警察の指示に従わなかったこと」が最大の問題であったと言えるでしょう。
結論
「23年間住んでいる」という発言だけで、彼女がオーバーステイだったかどうかを判断することはできません。しかし、この事件が示しているのは、滞在資格の有無にかかわらず、現地の法律や規則を守ること、そして公的権威への敬意を示すことの重要性です。
バリ島をはじめ、外国に長期滞在する場合は、自身の滞在資格が適切な状態であることを常に確認し、現地の法律や文化を尊重する態度が不可欠です。
2. 見過ごせない数字:3ヶ月で76人の外国人が強制送還
不法滞在だけではない、送還の理由とは?
このオーストラリア人女性の事例は、決して孤立した事件ではありません。バリ島当局の発表によると、2025年1月1日から3月25日までのわずか3ヶ月間で、実に76人の外国人が強制送還されています。
多くの人が「不法滞在者だけが送還される」と思い込んでいますが、実際はそうではありません。確かに不法滞在は送還の主要な理由の一つですが、それだけではないのです。
強制送還数
年度 | 人数(および内容) | 主な理由・備考 |
---|---|---|
2025年 | 1月~3月で76人 | オーバーステイ(不法滞在)、違法就労、犯罪行為など。前年同期比で増加傾向。 |
2023年 | 年間で数百人規模 (注) | パンデミック後の観光客増加に伴い、違法行為を行う外国人が急増。当局が取り締まりを強化。 |
~2020年 | 非公表 | パンデミック前は、オーバーステイや違法就労が主な理由でした。 |
(注) 2023年は「前年比で強制送還者が◯%増加」といった形の報道はありましたが、具体的な年間総数は公表されていません。
強制送還の主な理由(一貫して共通する傾向)
- オーバーステイ(滞在許可期限超過):最も多いとされる理由。
- 観光ビザでの違法就労:英語教師、インフルエンサーによる撮影、無許可での営業活動。
- 法令違反:薬物犯罪、交通違反の累犯、公共の場での秩序紊乱行為。
- 書類不備:適切な在留資格がない状態での活動。
なぜデータが公開されないのか?
報道ベースの情報:我々が得られる情報は、特定の注目すべき事例が報道されたものや、空港当局の責任者がインタビューで述べた断片的な数字がほとんどです。
内部管理資料:これらのデータは主に入国管理当局の内部運営や政策決定のための資料として扱われます。
政治・外交的配慮:国籍別の詳細なデータは、外交関係に影響を与える可能性があるため、公開が控えられる傾向があります。
観光ビザでの違法就労や犯罪も対象に
強制送還の理由は多岐にわたります。観光ビザで入国しながら違法に就労した場合、もちろん対象となります。また、交通違反を含む各種犯罪行為も、国外退去処分の対象となり得ます。
つまり、観光客として入国したからといって、何をしても許されるわけではないのです。バリ島に滞在する以上、現地の法律や規則を遵守する責任があることを認識する必要があります。
3. なぜバリ島は外国人取り締まりを強化したのか?
増加する外国人観光客のマナー違反問題
バリ島当局が外国人取り締まりを強化している背景には、増加する外国人観光客のマナー違反問題があります。特に以下のような行為が問題視されています:
- ヘルメット不着用でのオートバイ運転
- 無免許運転
- 公共の場での過度の騒ぎや酔っ払い行為
- 宗教施設での不適切な服装や行動
これらの行為は、地元住民の生活を乱し、バリ島の文化的・宗教的価値観を損なうものとして、深刻に受け止められています。
地元住民の不満と当局の苦悩
以前から、地元住民の間では、マナー違反を繰り返す外国人観光客への不満がくすぶっていました。神聖な寺院で水着姿で写真を撮る、住宅地で深夜まで騒ぐ、交通規則を無視するなど、自己中心的な行動が問題視されていたのです。
こうした状況を受け、バリ島当局は観光業を持続可能な形で発展させるためにも、外国人観光客の違法行為やマナー違反に対して厳格に対処する必要に迫られました。強制送還は、そうした取り組みの一環として実施されているのです。
4. あなたのバリ旅行を守る!今日から実践すべき5つの心得
絶対守るべき交通ルール(ヘルメット・免許証)
バリ島でオートバイを利用する際は、以下の点に必ず注意してください:
- ヘルメットの着用は必須:運転者だけでなく、同乗者も着用が必要です。
- 国際運転免許証の携帯:日本の免許証だけでは運転できません。
- 交通警察の指示に従う:検問で停止を求められたら、素直に従いましょう。
寺院参拝や公共の場でのマナー
バリ島はヒンドゥー教が主流の地域です。宗教施設を訪問する際は、以下のマナーを守りましょう:
- 適切な服装:肩や膝が出ない服装が基本です。多くの寺院ではサロンやスカーフのレンタルがあります。
- 敬意を示す:祈りや儀式を邪魔しない、静かにする。
- 写真撮影の許可:場合によっては許可が必要なこともあります。
ビザと滞在資格の確認は必須
入国する前に、以下の点を確認してください:
- 適切なビザの取得:観光目的の場合は観光ビザ(VOA)、その他の目的の場合は相应のビザを取得。
- 滞在期間の確認:ビザの有効期限を超えて滞在しない。
- ビザ条件の遵守:観光ビザで就労しない。
5. 楽しいバリ島旅行を台無しにしないために
文化尊重が最も大切な「お土産」
バリ島を訪れる際に最も大切なのは、現地の文化や習慣を尊重する態度です。それは現地の人々への敬意を示すだけでなく、より深い旅行体験を得ることにもつながります。
「郷に入っては郷に従え」ということわざがあるように、バリ島の文化や規則を尊重し、適応しようとする姿勢が、安全で楽しい旅行の基盤となります。
ルールを守って安全で思い出に残る旅を
バリ島は美しいビーチ、豊かな文化、温かい人々で知られる素晴らしい観光地です。しかし、その魅力を享受する権利には、現地の規則や文化を尊重する責任が伴います。
交通規則を守り、宗教的な習慣を尊重し、地元の人々との調和を保つことで、バリ島での休暇はより安全で、思い出に残るものとなるでしょう。
ルールを守ることは、自分自身を守ることでもあり、またバリ島という素晴らしい目的地を将来の旅行者のためにも保全することにつながります。楽しく、安全なバリ島旅行を心がけましょう。

最後まで読んでくれてありがとう。
次の記事でお会いしましょう。
またねー。💛
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