〜ネットの楽しい情報だけではわからなかった、「いま」のバリの顔〜
「バリ、いいよ!あちこちリノベされててオシャレだし、ノマドもたくさんいるし、絶対あなたの好きな場所だよ!」
友人やSNSのそんな言葉に胸を躍らせ、飛行機のチケットを取ったあなた。私もまったく同じでした。しかし、空港に降り立ち、実際に自分の目で見たバリは、私が期待していたものとは大きく違っていました。
この記事は、「バリ旅行、今から計画してるけど、実際どうなんだろう?」 と調べている方、特に「ネットのキラキラした情報と、クチコミの評価が違いすぎて困っている」という方に向けた、2024年現在の等身大のレポートです。ある旅行者の「がっかり」した経験が、あなたの旅行計画のより現実的な参考になれば幸いです。
消えた観光客の亡芸たち ~セミニャック「トレンド地」という幻想
「バリの最新トレンドスポット、セミニャックには、おしゃれなカフェやショップがたくさん!」
…そんな情報を信じて最初に足を運んだ私を待っていたのは、どこか物悲しいほどの静けさでした。
「もはやコロナ禍ですか?」と言いたくなるほど、観光客の姿はまばら。確かに、観光客向けの洗練されたショップやレストランはずらりと並んでいます。しかし、その大半は客待ち顔の店員さんばかりで、店内はガラガラ。
道を歩く人影よりも、のんびりと佇む野良犬の方が目立つほど。唯一活気があったのは、タトゥーショップだけ。かつての賑わいが嘘のようで、SNSで見たあの活気ある写真は、いったいいつ撮られたものなのか…と疑問に思わずにはいられませんでした。
閑古鳥が鳴くおしゃれストリート
せっかくショッピング意欲満々で訪れたのに、人がいなさすぎて逆に消費意欲が消え失せてしまいました。活気がない場所でお金を使う気には、なかなかなれないものです。
「じゃあ、チャングーは?」~期待と現実のギャップ
セミニャックの状況に少し慌て、地元の人(ジモティー)に聞いてみました。
「セミニャック?今はあんなに人はいないわよ。ゆっくり過ごしたい人向けかも。賑わいがいいのはチャングーよ、夜は酔っ払った観光客でごった返してるわ」
よし、そこだ!と急遽チャングーに向かいました。確かにセミニャックよりは人がいました。ですが、「ごった返す」という表現から私が想像したほどの賑わいは、どこにもありませんでした。
時間帯が悪かったのか、それとも私が訪れたエリアが違ったのか。ビーチは広々としていて、むしろ人の少なさが目立つほど。イケイケなおしゃれなショップと、まばらな人通り。このアンバランスさが、かえって「この街、かつてはもっと輝いていたんだろうな」という、どこか物悲しい気分にさせました。
観光客の心変わりが生む、栄枯盛衰の儚さ
なぜこんなにも閑散としているのか。別のジモティーに聞くと、核心をつく答えが返ってきました。
「この辺りに来るオーストラリア人観光客のトレンドは、もうバリからベトナムやタイに移っているのよ」
日本人はいない?観光客の主役は韓国人と中国人に
滞在中、日本人観光客は片手で数えるほどしか見かけませんでした。代わりに多かったのは、韓国人と中国人の観光客。地元の人も「日本人?最近は全然来ないね。多いのは韓国人か中国人だよ」と口を揃えます。
町中の案内看板も、中国語と韓国語はあるのに、日本語がないお店をちらほら見かけました。日本での「バリブーム」は、完全に終焉を迎え、次のフェーズに移っていることを肌で感じました。観光客の「心変わり」一つで、街の活気がここまで変わってしまうのかと、儚さを覚えました。
絶望の次に待っていたのは地獄の渋滞 ~ウブドの「過疎」と「過密」
セミニャックとチャングーで絶望し、最後の望みをかけたのがウブドです。「ウブドならきっと気に入るよ!」というノマド仲間の言葉に、期待は膨らみます。
しかし、バリは私にまたもや現実を突きつけました。
今度は「人が多すぎる」 のです。ウブドの中心地は、観光バスとスクーター、そして歩行者で大渋滞。その大半はヨーロッパやロシアからの観光客で、中国のプールさながらの「芋洗い状態」でした。
牧歌的な風景と大渋滞の不気味なコントラスト
ここがウブド?と疑いたくなるような光景でした。美しい田園風景は道路のすぐ脇に広がっているのに、目の前は喧騒と排気ガス。この「牧歌的」と「混乱」が同居する奇怪な光景に、私はしばしば困惑し、疲れを感じてしまいました。
デジタルノマドの聖地はもう過去の話?
バリはデジタルノマドのメッカとも聞いていました。コワーキングスペースやコリビングを見学しようと意気込んで訪れた私でしたが、そこで待っていたのは「静寂」でした。
ネットで見た洗練されたサイトの写真は、どうやら5年前のもののよう。現地の施設は、その写真と同じ内装なのに、中は閑散とし、電気が切れているエリアさえあるほど。人がいないためか、交流イベントもほとんど開催されていない様子。
かつての繁栄の亡霊が、まだネットの海を漂っている——。そんな幻想に、のこのこ引っかかってしまった自分が情けなくなりました。
バリは安くない ~観光地価格と「島時間」の洗礼
「東南アジアのリゾート=安い」というイメージは、バリの観光地では通用しません。
ローカル店で食べるナシゴレンが200円なのに対し、観光客向けのオシャレなカフェでは600円と3倍。しかも、オーダーから料理が来るまでの「島時間」は長く、サービスの質が値段に見合っているかは疑問符が残ります。
スーパーも輸入品が多く、全体的に物価が高い印象。リゾート地としての利便性は高いですが、「安く楽しめる」というわけではなさそうです。


バリ旅行でストレスが溜まる ~東南アジア在住者が気づいた「もったいなさ」
ここまで読んで、「じゃあ、何がそんなに悪かったの?」と感じた方もいるでしょう。最大の理由は、「理想と現実のギャップ」 です。
キラキラしたリゾートを期待すれば閑散とした街並みが待ち受け、のんびりした文化を期待すればウブドの大渋滞が待ち受け、活気あるノマドコミュニティを期待すれば閑散としたコワーキングが待ち受けていました。
旅人はマレーシア在住です。そして気づいてしまったのです。「バリに求める南国リゾート感は、東南アジアでも十分味わえる上に、インフラは整い、ストレスが少ない」という事実に。わざわざバリまで来なくても…という後悔の念が、ホームシックを誘いました。
それでもバリを旅して良かったこと ~ノイズの向こう側に光るもの
しかし、バリが全て「がっかり」だったわけではありません。この旅で最も輝いていたのは、バリの人々の温かさでした。
観光地化がこれほど進んでも、出会った人々の笑顔は純粋で、心からのおもてなしを感じる場面が多々ありました。画一的な観光地の対応ではなく、ひとりひとりと心を通わせようとするその姿勢に、バリの本来の魅力を垣間見た気がします。
ローカル文化に触れるための、新たな旅の提案
寺院やウブドの田園風景そのものは、今も美しい。問題は、その魅力を楽しむ前に、観光客という「ノイズ」に飲み込まれてしまうことです。
もしバリに行かれるなら、定番観光地をてきとうに流し、わざとローカルな路地裏に入り込み、地元の人々の生活に触れ、小さな食堂で食事をしてみてください。ネットの情報に振り回されない、自分だけのバリの魅力を見つける旅が、今のバリでは一番の楽しみ方なのかもしれません。
🌴 バリ島で観光客が少ない時期(2026年目安)
✅ 1. 1月中旬〜3月(雨季・ニュピ前)
- バリ島は雨季の真っ只中で、観光客がぐっと減る時期
- 特に1月の正月明け〜3月前半はかなり空いている
- ホテル代がピークの半額以下になることも
📌 注意点
・短時間のスコールが多い
・海の透明度が下がりやすい
・3月は「ニュピ(外出禁止日)」に重なる場合あり
✅ 2. 5月中旬〜6月(乾季だけどまだ穴場)《最強のおすすめ》
- 乾季の爽やかな気候で超過ごしやすい
- なのに7〜8月ほど混雑していない“神期間”
- ホテル価格もハイシーズン前で比較的安め
📌 メリット
・晴天率が高く海も綺麗
・ツアーも混雑が少なく快適
・気温も湿度も適度で観光しやすい
✅ 3. 10月後半〜11月(雨季前の静かな季節)
- 10月上旬まではまだ混雑気味だが、後半から一気に落ち着く
- 欧米の長期旅行者が減り、ホテルも取りやすくなる
- 気候もまだまだ観光に適し、雨は少なめ
📌 注意点
・11月下旬から徐々に雨が増える
・海の透明度は乾季ほどではない場合も
📉 観光客が多い時期(避けたい人向け)
参考に、混雑しやすい時期もまとめておきます。
❌ 7月〜8月(欧米のバカンス)
最も混む。ホテル代も高い。
❌ 12月中旬〜年末年始
日本やオーストラリアからの観光客が多くピーク。
❌ 3月のニュピ周辺
外出禁止日の影響で直前・直後の宿が高騰したり混雑することも。
✨ まとめ:静かなバリ島を楽しむならこの3つ
- 1月中旬〜3月(雨季で人が少ない)
- 5月中旬〜6月(乾季ベストなのに穴場)
- 10月後半〜11月(過ごしやすく空いている)
バリは「幻想」ではなく「現実」の島だった
バリは悪い場所ではありません。しかし、SNSや数年前の情報が作り上げた「幻想のバリ」は、少なくとも主要観光地では、もう存在していないのです。
この記事が、あなたのバリ旅行の計画に少しでも役立ち、過度な期待をせず、あるがままのバリを受け入れる心の準備ができれば。それこそが、バリで「がっかり」する旅行者を一人でも減らすことにつながると信じています。
あなたのバリ旅行が、幻想ではなく、素敵な「現実」になりますように。

この方はマレーシア在住の日本人の方のバリ島あるあるの本音です。
丁度観光客の少ない5月下旬頃のバリ島訪問だったら観光客の少ない穴場におとずれたのかなとも推察します。
客観的な観察眼で、おいらとは違って冷静に今のバリ島を分析したいい文章だと思い趣旨を損なわないようにアレンジした文章にしてみました。
おいらも2024/10月にスミニャック、チャングー、ウルワツ、レンモンガン島・チュニガン島に行ったけどここまで閑散とした感じは受けなかった。
でも、確かにSNSで映えスポットでキラキラ写真と現実にはギャップがあるのは事実だなと思うよ。
おいらは、この旅人も言っているけど絶景もさることながら、バリニーズの温かさに触れられた瞬間や宗教に根ついた生活や文化にふれるだけでも旅の新たな発見や新鮮な気持ちになると思うよ。
カオスなバリ島になりつつあるけど、旅行先の候補としておすすめするよ。
最後まで読んでくれて、ありがとう。
また、次回の記事でお会いしましょう。








コメント
私もあなたと同じ時期にバリ旅42回目を終えました。急遽スミニャックエリアから初ウルワツエリアに秘密基地を変えました。それが大正解。国際空港から2、30分閑静な空気の澄んだ丘の眺めの良い安全な住処。渋滞とはほとんんど無縁な20数年前より混んでない快適な立地。毎日、ウルワツ、ジンバラン、ヌサドゥア方面の中心地に宿を構えるプラン大成功。往復エアーはシンガポール航空を近年は利用しているからそのマイレージポイントをポイ活有効利用して無料でジンバランの超高級ヴィラ、ラッフルズバリのライターズバーにて豪華アフタヌーンティーセット2名分ゲット(3時間4000円相当)やヌサドウアの六星セレブホテルのムリアホテルのカフェにて豪華アフタヌーンティーセット1名分(3時間4000円分相当)ゲット!セイビングマネープライスレス!マイルームはホテルに一室しかないジェットバススイートルーム(温水巨大ジャグジーバスタブ付き<植物や塀に囲まれた周囲から覗かれない設備なので毎日ほぼ裸で露天風呂感覚と日光浴三昧、ガーデン、バルコニー、サンテラス、チェア付き、室内にもバスタブ、セパレートシャワー付き、簡易キッチン、大型冷蔵庫つき、防音、壁掛けパナソニック液晶モニター付き(スマホと同期すればyou tube プレミアム会員なので大画面で見放題、UーNEXT なども見放題。スポーツバーに行く必要がなくなる。コンドミニアムアパートメントタイプなので全く虫や蚊が入ってこない。
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